乗っておきたかった列車(その7)

この3月まで鹿児島で仕事をしていました。

13年間の長きに渡りましたので、離島も含め、九州をくまなく歩き回ることができました。

九州の鉄道の中では大分と熊本を結ぶ豊肥本線がとくに好きです。

阿蘇国立公園、岡城のある豊後竹田、立野のスイッチバックなどを通る風光明媚な路線です。

9月-10月と、北海道、東北、信州の循環列車のことを書きましたが、この豊肥本線にもかつて循環型の急行列車がありました。

急行「ひまわり」です。

時刻表 昭和43年10月号で反時計回りの運転経路と時刻を見てみましょう。

大分 8:40 別府8:54 (日豊本線) 小倉11:05 (鹿児島本線) 博多12:10 久留米 12:45 大牟田 13:16 熊本 13:58 (豊肥本線) 立野 14:58 阿蘇15:21 豊後竹田 16:14大分17:23 (日豊本線) 別府 17:38

大分を朝に出発し、ぐるっと回って夕方に大分に戻ってきて、おまけで別府まで運転していました。

「ひまわり」は長い歴史があり、昭和36年10月の時刻表には同一区間を走る「準急列車」として掲載されています。

大分発 8:50で別府到着は17:21ですから、7年経過して、準急から急行に格上げになったにもかかわらず、時間は余分にかかるという珍現象です。

当時、この準急「ひまわり」と同じ路線 (豊肥本線の列車が日豊本線経由で博多) を走る準急列車がありました。

昭和36年10月号の時刻表によれば、

熊本 11:55 (豊肥本線) 立野 12:30 阿蘇 12:57 豊後竹田 13:38 大分 14:40 (日豊本線) 別府 14:54 中津 16:08 小倉 17:02 (鹿児島本線) 博多 18:08

循環列車とするには博多から鹿児島本線で熊本までの区間が足りません。

昭和39年、突然、この列車は全国に知られることとなりました。

当時、中学生の私も「九州を走る準急列車」として報道されたことを鮮明に覚えています。

準急列車「ひかり」。

昭和39年に東海道新幹線が開通して、早い方の列車の名称が「ひかり」と決定したため、そちらに名前を譲りました。
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豊肥本線を通るたびに想像するのは準急列車「ひかり」です。

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さて、平塚のハカセの写真館です。

いずれもレアもの揃いの良い写真です。

① 阿蘇をバックに、
宮地駅付近
1971年3月

_19713

② 立野のスイッチバック
1972年2月

_19722

③ 立野のスイッチバック、急行「火の山」
1988年10月

_198810

④ 豊後竹田駅
1972年2月

_19722_2

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コメント

  1. ARC(短縮しました) より:

    ①など特によろしいなあ。

    煙の形など理想的。

    絵画の遠近法の解説みたいだけど、畦や畝の収束点に機関車がいます。これは偶然なのだろうか。

    一コマ必中の時代に大したもんだ。

    ※記事の話でなくてゴメン

  2. 旅芸人 より:

    実に良い写真が揃っています。

    遠近法はハカセの執念だね。

    50年前のはつかりの写真を一緒に撮ったのは覚えているけど、こちらの写真は雲散霧消。

    私の鉄道グッズ、乗り鉄記念の品々をハカセに差し上げてよかったと思っています。

  3. ARC(短縮しました) より:

    ナニ?  差し上げたって?

    ワタシもやった方がいいかなあ。

    明日、ハカセに会ったときに相談してみよう。

    甚だ場所をとるので一坪分くらいは負担せねばなあ。