メインバンク交代で業績改善

レイジーバンクは、このままでは間違いなく「捨てられる銀行」となるでしょう。

平成28年度の金融行政方針で、金融庁は顧客が、自らのニーズや課題解決に応えてくれる金融機関を主体的に選択できるようにするため、顧客から金融機関の行動や取組みがより良く見えるようにする、「見える化」を進めていくと宣言しました。

具体的には、金融商品・サービスに係る各種手数料等の開示の促進、「金融仲介機能のベンチマーク」等を用いた金融機関による顧客本位の取組みの自主的な開示の促進、当局が検査・監督等で得た知見の積極的な公表・問題提起、優良金融機関の表彰制度の創設等を推進すると書いてあります。

こうした 「見える化」を通じて、金融機関の取組みが顧客から正当に評価され、より良い取組みを行う金融機関が顧客に選択されていくメカニズムの実現を目指す、という「顧客からのプレッシャー」の仕組みづくりです。

まだまだ道半ばですが、橋本卓典さんの「捨てられる銀行」が、多くの中小企業経営者の方々に読まれるなど、彼らの意識改革は確実に進行しています。金融リテラシーも向上し、「顧客からのプレッシャー」の流れが徐々に定着しつつあります。

さて、「捨てられる銀行」のアマゾンでの書評の中に非常にインパクトのあるもの発見しました。評者は中小企業経営者の方のようです。

「捨てられる銀行」に触発されてメインバンクを替えたことで業績が改善したという話です。

以下、そのポイントを書き出してみました。

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「捨てられる銀行」で取り上げられた銀行にメインバンクを替えたことで、資金繰りが劇的に向上した。

それまでは毎月の返済に追われ、経費削減のために重箱の隅を突つくような毎日で、社員からは尊敬されることもなく、新らたな売上のための施策を検討する余裕もなかった。

もとのメインバンクは「保証協会の保証付長期融資」一辺倒で、プロパー短期融資は評価されず、現場としてはやりたくない仕事。このことは新しいメインバンクによって教えてもらった。

新しいメインバンクになって、

〜 8年間使ってきた複合機を入れ替え(リース)

〜 壊れた社有車を新車に入れ替え(リース)

〜 資金繰りが劇的に良くなり、経理担当(奥さん)が毎日笑顔

〜 販売先を紹介してもらい、売上と利益が増加

〜 社内の雰囲気も激変

この経営者さんは大満足。

「この本を読んで、メインバンクを変えることを考えていただけるといいなと、そのためにやらなければいけない課題もたくさん出てきますが、取り組む価値は充分にあると思います。」(原文通り)

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レイジーなメインバンクは捨てられたのです。

橋本さんの次回作 (1月30日) で、さらに多くの中小企業経営者が触発され、自己本位の銀行を捨て、顧客本位の銀行との取引へと向かうよう期待しています。


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コメント

  1. 寺岡雅顕 より:

     某金融機関でこのような話を聞きました。

     某企業から、取引金融機関すべてに対し、新規の設備資金について検討の依頼があった。A庫は融資順位で下位にある。

     メイン行(地元地銀)をはじめ、各行採りあげに積極的で、満額回答で金利競争となった。しかし、A庫では、投資計画の下振れリスクを指摘し、「自己資金の追加投入」もしくは「投資計画全体の圧縮」の必要性を伝えた。結果、企業側からは「真摯に計画を検討し、当社の立場でアドバイスくれたのはA庫だけであった」として、提示金利はもっとも高かったにも関わらず、「本件設備投資に止まらず、今後メイン取引をお願いしたい」と言うことに、話が発展した。もちろん、下振れリスクを考え自己資金の追加投入も行われた。

     というものです。

     某金融機関の理事長との忘年会でのお話しです。4月から、融資人材の育成を全階層にわたってかかわらせて頂きました。

     確実に企業側の意識も変わってきていると思います。

     

  2. 旅芸人 より:

    寺岡さま

    コメント、ありがとうございます。

    寺岡さんのご指導で育った人材が、顧客本位の提案をしたA金庫の対応は素晴らしいですね。

    理事長の強い思いが現場のスタッフに浸透し、好循環になっているように感じました。

    やはりトップの本気度にかかっていますね。

    元気の出るお話、ありがとうございました。