すべて comply ?

「ルールに従え(comply)、従わないのであればその理由を説明せよ(explain)」

ワタシが社外取締役を務める地方銀行は、コーポレートガバナンス・コードに対し、多くの地方銀行がすべて comply する中で、現実的ではない数項目に対し、はっきりと explain の意識表示をし、意見を開示しています。

「独立社外者のみの会合」(補充原則4-8-1) や、「筆頭独立社外取締役の決定」(補充原則4-8-2) は、取締役会の議論が活発で、社外取締役同士のコミュニケーションが良ければ、あえて必要なしというのが、ワタシの意見でもあります。

そんなもの要るか、という感じです。

こういう項目まで含め、「すべて comply 」だと、逆説的に、そういう企業はコーポレートガバナンスが形式的になっているのではと、むしろ懐疑的になります。

ワタシの感覚はおかしいのでしょうか?


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コメント

  1. 寺岡雅顕 より:

     ルールは少なければ少ないほど良いと思っています。

     マニュアルには{マニュアル通りやっていれば免責される」「マニュアルを外れてはやってはならない」という側面があり、思考停止を招きます。私はこれを「マニュアル化の罠」と呼んでいます。

     考えることを忘れた組織は、ろくなことになりません。

  2. 寺岡雅顕 より:

    ルールはマニュアル化につながり・・・が抜けてました。

  3. 多胡秀人 より:

    寺岡さま、

    鋭いコメント、ありがとうございます。

    「マニュアル通りやってアリバイ作り、中身がない。」

    「チェックリストの消し込みでお茶を濁す。」

    そういう金融機関は、資産査定も、リレバンも、コーポレートガバナンスコードも、同じですね。

    こういう組織はAIに経営を任せたら、もっとマシになるでしょう。

  4. ミザール より:

    経営の意識が監督先対応だけ向かってしまっている現状批判と思います。

    こうなると、作業することを仕事と勘違いする経営者・職員が大勢を占めるようになり、仕事の本来目的が消え去ってしまいます。

    沢山チェック項目を増やし毎日チェック作業で正常を確認しても、肝心な課題の対策をしなかったことが、福島原発の事態になったと思います。

    多分まだ大丈夫と課題からの逃げが生ん大惨事です。

  5. 新田信行 より:

    マニュアル文化では、創造的な組織は創れません。マニュアルからは、プロダクトアウトしか生まれないと思っています。私はマニュアルが嫌いです。大切なのは理念だと思います。

  6. ミザール より:

    無印良品さんのマニュアルの在り方を知って、私はマニュアルがダメとは必ずしも思っていません。無印さんでのマニュアルは固定されていません。現場の実践とマニュアルに違和感あると常に更新され全社員に共有されます。無印さんでのマニュアルはベテラン社員と新人社員を業務に於いて同じ立場に立つことを可能とするものにしています。私ども金融機関のように、規程やマニュアルをただ作れば事足りるとし、現場での使い勝手など考慮していません。

    無印さんのマニュアルは社員がお客様のサービス第一に考え動けるように作られているようです。それ故社員にとって分かりやすく、見易い作りとなっているようです。

    今後システム対応が増えることが見込まれる金融機関店舗ですが、顧客と社員の接点を増やすためにもマニュアルについて考え方を改めることが必要と思います。顧客サービス充実のために。

  7. 橋本卓典 より:

    マニュアルでも業績評価要領でもチェックリストでもベンチマークでも同じことですが、「計測・評価されている」と意識されてしまえば、もはや自然体ではいられません。仕上がり具合が目的化します。バイアスは脅威です。バイアスを発生させずに、観察・評価できるか。ここがポイントです。

  8. 寺岡雅顕 より:

     「ルール」から「マニュアルの是非「」に議論が移ってますが、マニュアルを語る場合、「金太郎アメ」でよい業務と、判断を伴う業務に分ける必要があると思ってます。

     同列で語ることは危険と思っています。

     判断を伴う業務に必要なのは、「最低限のルール」と新田理事長の仰る通りに「理念」です。あえて付け加えるなら哲学でしょう。。

  9. 新田信行 より:

    私はみずほ銀行のコンプライアンス統括部長の時、コンプライアンスとは、自分の良心に従うことだ、と指導しておりました。理念の無い判断や創造は考えられません。

  10. 寺岡雅顕 より:

    私も、事務の疎漏のチェックを除き、大切なのは「常識と良識・見識」だと言い続けてます。まさに「良心に従え」「だと思います。

  11. 橋本卓典 より:

    こうした問題が、金融庁で議論されていないのが大問題なのです。金融変革運動体で議論すべきテーマです。

  12. ミザール より:

    コンプライアンスを個人の良心や理念、常識・良識・見識だけに頼るというのはどうなのでしょう。

    今問題になっている地銀さんにあっては、経営者の方針により大きな間違いに至ってしまっています。社員は理念・常識・良識をもってしてもそれを無視せざるえない環境に置かれたはずです。

    私は営業店長をしていたときに、職員にコンプライアンスの間違いを一番侵しかねないのは、店で一番権限のある私だからしっかり監視してほしいとコンプラ勉強会で話をしました。

    カッコつけてる訳ではありません。

    権力持つものが一番悪さをすることを経営者はまず理解していなければなりません。

    この頃の企業不祥事も全てここに集約されます。

    マニュアルから今度はコンプライアンスの話になってしまいました。申し訳ありません。

  13. 寺岡雅顕 より:

     新田さんも私もコンプライアンスの問題を理念・常識・良識・見識で片付けているわけではありません。

     しかし、基本はここにあるはず。一人一人が実践できれば、コンプライアンスの問題は起きないはずですから・・・。

     そもそも、この様に飛躍してしまうのが本質を見誤せる、あるいは本質から離れてしまう危険性につながると思います。

     ミザールさん、ごめんなさい。