殿、ご乱心ですぞ

経営戦略やビジネスモデル (当然ながら顧客本位であり顧客との共通価値創造型です) に共鳴し、顧客サービス向上や従業員のために資すると判断して、統合合併することには大義があります。

ところが昨今は、地域金融機関の経営者が経営を放棄し、買収や合併に応じるとしか (客観的には) 思えないケースが出てきました。

ワタシはこれを「経営逃亡」と称しています。

かつて、このような愚かで、ぶざまな事象は見たことはありませんでした。

さて、

経営環境の悪化やマイナス金利のもと、預かり資産業務にはフィデューシャリーデューティーの厳しい監視体制が導入され、アパートローンが頭打ちになるなど、プロダクトアウト型のビジネスモデルが八方塞がりとなっています。それに加えて、AIフィンテック。

プロダクトアウトのトランザクションバンキングからの転換ができない地域金融機関の経営者の多くは、打つ手なしの茫然自失状態のように見えます。

まだまだ諦める段階ではないし、そもそも経営者だというのならば絶対に諦めてはいけない。

しかし、地元顧客や従業員のために究極の段階まで勝ち残り策を考え抜かねばならないのに、経営を放棄しているようにしか見えない無責任きわまりない人たちがいることは否定できません。

こういう経営者は「経営逃亡者」の予備軍です。

「覇権主義で拡大志向」(ワタシは時代錯誤だと思うのですが、笑) の地域金融機関が近隣にあろうものなら、渡りに舟とばかり、すべて丸投げの合併 (買収に応じる) へと逃げ込む可能性があります。

かつては合併といえば“凄惨なポスト争い”と相場が決まっていましたが、経営逃亡者は自らの地元顧客や従業員を守ることなく、自らは退職金をもらってハッピーリタイアメントというシナリオを考えているのではと、勘ぐりたくなります。

地域金融機関のガバナンスコードに、殿の乱心に備えて腹を切らせる仕組み、すなわち「経営逃亡の防止」の仕掛けを入れておかなければなりませんね。

イヤハヤ、ここまで落ちたか。


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コメント

  1. 新田信行 より:

    成長する意欲の無い経営者は、速やかに地位を後継者に譲らなくてはなりません。一方、役員の中に後継者たる人がいない場合も少なくありません。その時は、若手から大抜擢するか、外から人を招くかしかないのでしょう。業界の中に、金融機関の数以上の経営トップにふさわしい人がいるのか、疑問に思うことがあります。

  2. 寺岡雅顕 より:

     「ビジネスモデルは合併後に考える」なんてこと、まさかあるわけありませんよね。

     まさか、こんな発言が経営からなされていながら、支店長や総代が口をつぐんでいるとしたら・・・。

     どう考えたらいいのでしょう

  3. 増田寿幸 より:

    それは、日本の金融ビジネスが新規参入障壁と人口ボーナスによる高度成長に守られて、ビジネスのまともなパラダイムシフトを一度も経験してこなかったからだと思います。トップはもとより従業員にも総代や株主にも「当事者意識」が欠落しているのです。さらに加えて言うなら金融庁も日銀も親切過ぎるのでしょう。

  4. 新田信行 より:

    バブル崩壊とリーマンショックから、日本の地域金融機関とそのステークホルダーは何を学んだのでしょうか?これでも当事者意識がなく反省すら出来ていないとしたら、深刻ですね。