フライング スコッツマンという名の SL

「乗り鉄紀行」海外編の第3弾です。

フランスの“ル ミストラル”、西ドイツの“ラインゴルト”に続き、今週はイギリスの“フライング スコッツマン”です。

フライング スコッツマンというのは、東海岸経由でロンドンとエジンバラを結ぶ LNER (London North Eastern Railways) が、西海岸経由で両都市間を走るライバル会社LMS (London, Midland and Scottish Railways) の列車に対抗すべく、1862年に運行を開始した高速列車の愛称です。

「空飛ぶスコットランド人」との名称は、「有名な競走馬」からとったとか?(当時、聞いた話ですが、それ以上のことは確認していません)

当時は蒸気機関車が客車を牽引する時代ですが、LNER も LMS も最新鋭の機関車を投入して、ロンドン・スコットランド間でスピード競争をしていました。

1923年に登場した 高速列車対応の SL 4472号機はフライング スコッツマンの牽引機関車となったのですが、史上初めて時速100マイル超えを果たし、機関車自体にもフライング スコッツマンという名称が与えられたのです。

ワタシがイギリスに赴任した1979年の時点で、この4472号機は動態保存されており、イベント列車で引っ張りだこでした。

さて、

1983年3月6日、「フライング スコッツマン 60周年記念列車」が運転され、幸運にも乗車することができました。(確か郵送申し込みの先着順だったと思います)

ロンドン キングスクロス駅から北方75マイルの地 ピーターバラ まで、ディーゼル機関車が記念列車を牽引、ピーターバラ駅構内で待機するフライング スコッツマン 4472号機にバトンタッチ。

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メインイベントは、4472号機が牽引する記念列車のピーターバラ駅発車シーンの撮影ですが、しっかりとカメラに収めることができました。

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鉄道発祥の国、イギリスでの「乗り鉄紀行」のハイライトともいえる1日でした。

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コメント

  1. ARC(短縮しました) より:

    まさに「イギリス乗り鉄紀行のハイライト」です。

    それにしても長大な編成(後ろに推し役が見えるが)、往時はこれを曳いていたんですかね。

    この写真も紙焼きから? 原版があればなあ。。。

  2. 増田寿幸 より:

    「フライング・スコッツマン」という名称は19世紀のケープホーン航路で話題になったとされる「フライング・ダッチマン」という幽霊船伝説から来ているのではないでしょうか?ところでこれだけの鉄道マニアの多胡さんは横浜の原信三郎博物館はよくご存知でしょうか?

  3. 多胡秀人 より:

    増田さま、

    横浜の原鉄道模型博物館は2012年前にできたのですが、そろそろ行こうと鉄道マニア仲間と計画を練っていた時に、ワタシが倒れたため、まだ行っておりません。

    リハビリにしっかり取り組み、何とか訪問を実現したいものです。

  4. 増田寿幸 より:

    多胡さん、何としても訪問されるべきです。私は感動しました。この原信三郎さんの息子さんが「公益資本主義」の原丈二さんで、博物館のプロデュースは息子さんの手になるものですが中身はお父さんの生涯の趣味の結実です。

  5. 多胡秀人 より:

    増田さま、

    ありがとうございます。

    模型鉄道博物館は原丈人さんのプロデュースとは知りませんでした。

    是非とも行ってみようと思います。

  6. ARC(短縮しました) より:

    原鉄博に旅芸人殿を誘い出す計画は何度か立てましたがなかなか果たせず、遅れ馳せながら、昨夏、ハカセと出かけました。

    イヤハヤ、想像以上でもう仰天。

    「模型」と付いていますが、模型に限らず、です。

    原信太郎さんの好奇心、探究心が尋常ではありません。

    ワタシは「鉄」ではなく、鉄はチラ見程度ですが、(鉄でない)模型をチョイトやりますので、模型仲間には原さんについて「圧倒された」「大層な人物、趣味人の鑑」「必見」と書き送りました。

  7. 増田寿幸 より:

    なるほど、では、多胡さんにさらに興味を持ってもらうように、私が感心したポイントを二つ。第一は電車の電気が線路からではなくパンタグラフを介して架線から供給されていること。したがってジオラマを含めた維持管理の最大課題は「架線の張力コントロール」とのこと。第二は線路も含めて全部手作りであること。線路はきちんと「鉄」を加工している。おもちゃ電車の「真鍮」や「鉛合金」ではありません。したがって、電車の通過音が本物のそれに限りなく近いのです。この二つを「鉄道オタク」なら評価されるべきです。

  8. ARC(短縮しました) より:

    鉄オタではありませんが(クドい)、増田様ご指摘の点は全く同感です。

    原さんの模型は、幼少期からの発展過程を見ますと、鉄道模型の規格やスタイルが確立される以前からの試行錯誤の賜物で、

    架線集電も鉄レールも原さんの独創性と拘りの表れと見えます。

    鉄道模型の世界は、乱暴に分けると、運転派と車両工作派がありますが、原さんは両方です。

    工作の方では、実物の特殊車両の複雑な機構を模型で再現する設計力と工作力、、、実現に至るまでの格闘には目眩がしました。

    これだけ言えば、必ずや、旅芸人も乗り出してくるでしょう。

  9. Hさん より:

    旅芸人さん、原鉄道模型博物館に行かれるのなら是非同行させて頂きますよ。実は私も以前は鉄道模型にハマっていたので。笑

    (今でも部屋には近鉄のNゲージ車両を飾ってます)

  10. ARC(短縮しました) より:

    オオ、みんなで出かけましょうか。

    行くなら平日に。ハカセと行ったのは休日でしたが子供の多さには閉口しました。あそこはオモチャの国ではありません。

    といって子供がダメというわけではありませんよ、、、早くからよいものに触れて刺激を受けることは大賛成。

    繰り返しますが、原鉄博は模型だけではありません。

    切符も、欧州鉄道旅も。

    原さんとは時代は隔てますが、旅芸人さんとも共振するところ大と見ます。