信頼できない金融機関に誰が頼むか⁉️

このところ地域銀行の新しい経営計画が立て続けにリリースされています。

プレーンの金融商品サービスのボリューム追求が頭打ちとなる中で、課題解決やコンサルティングに活路を見出そうとの計画内容が目につきます。

事業承継、M&A、などなど、

でもでも

口で言うほど簡単ではありません。

プロダクトアウト化して、パワーセールスするという体質が染み付いている中で、課題解決・コンサルティングといっても、せいぜい外部業者リストを提示して、そこに取り次ぐ図式が見え隠れします。

結局のところ、融資や投信保険が、事業承継、M&Aなどに変わっただけ。

これらの件数目標を掲げて、現場の尻を叩くスタイルは変わることはなく、優越的地位に立つことにできる顧客に対してはコンサルの押し売りもやりかねません。

いくら事業承継やM&Aの件数目標を高々と掲げても、“顧客本位“で共通価値の創造 (CSV) になるとは到底思えません。

一番大事なことが欠けているからです。

それは「信頼関係」。

多くの地域金融機関の現場はプロダクトアウトの強引な物売りで、顧客との信頼関係は地に堕ちています。

こんな状況で、お客様が自社の存亡がかかる重要な課題 (事業承継など) の相談をしてくれるわけがありません。

自己都合で用事のある時だけ顔を出す、それが効率的だと勘違いしている、まったくもって懲りない地域金融機関には呆れ果てます。

信頼関係の回復をどうするか。

これこそが今やるべきことなのです。

安易に、課題解決とか、コンサルティングとか、言わないでいただきたい。

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コメント

  1. 寺岡雅顕 より:

     課題解決、コンサルティング機能強化のため、M&Aや事業承継に長けた専門人材の育成が謳われているものが多いですね。

     しかし、その前に、地域金融における金融取引の基本と、金融機関職員としての矜持と哲学を身に着けることが必要と考えています。顧客との信頼関係の構築の原点はここにあり、継続的持続的に基礎人材の育成に取り組むべきです。

     残念ながら、依然金融機関の経営陣の中には、人材育成に対し即効性の成果を求める方が多く、基礎人材の育成について触れられたものをあまり見かけません。

     結局、数値を結果として残すための、歪んだ結果に至る恐れを禁じえません。

  2. 増田寿幸 より:

    おもしろい本を見つけました。タイトルは「TRUST(信頼)」です。ボッツマンという女性が著者です。曰く、信頼が変化していてただいまは第三の信頼革命期で信頼の形態が情報テクノロジーで変化しつつあるといいます。もしそうなら私たちは信頼の形成方法そのものを見直すべきことになります。

  3. 橋本卓典 より:

    「とても目覚めないだろうなあ」と思える金融機関がある一方、お客様に近い位置に身を置く金融マンは、各個目覚めていますね。身をどこに置くかで人間は変わります。そう思っている金融マンの方は、是非、声を聞かせてください。全国を走り回っていますが、実は、そういう方、結構いるんですよ。そういう方々だけで繋がって、まずは「孤独ではない」ということを知っていただきたいと思います。rinokuta@gmail.com

  4. 橋本卓典 より:

    「とても目覚めないだろうなあ」と絶望的になる金融機関がある一方、そんな金融機関でも、目覚めている金融マンは個別には結構いるんです。特徴は「お客様に近い位置に身を置いている」ということ。組織が変わらないなら、目覚めた個同士が繋がれば面白いことが起きます。「我々は孤独ではない」と知ることができれば勇気がわきます。そうした方は是非、お知らせください。勝手にネットワークを築きましょう。rinokuta@gmail.com

  5. 橋本卓典 より:

    「とても目覚めないだろうなあ」と思う金融機関があるのは事実です。他方、そうした金融機関でも、個々には目覚めて孤軍奮闘している金融マンは結構いるのです。組織が変わらないなら、目覚めた個が繋がれば「我々は孤独ではない」と勇気がわきます。興味がある方は、声を届けてください。

  6. 橋本卓典 より:

    お客様や地域のためになんとかしたい個々の金融マンは少なくないと思っています。

    地域と「真の信頼関係」を築く組織の覚醒を期待しますが、どうしても組織が変わらなければ、「解放された個」がネットワークで繋がれば良いのです。

    そういう「個」の方は、rinokuta@gmail.comにご連絡を。結構、いるんですよ。決して「孤独」ではありません。ネットワークができはじめています。

  7. 橋本卓典 より:

    うまくアップされず、何度も書き込んでしまったようです。すみません。他意はありません。