金融仲介シンポジウム

4月14日のブログで、沖縄での「金融仲介の改善に向けてのシンポジウム」の話を書きましたが、2月~3月にかけて全国各地の財務局で行われた同シンポジウムでの議論の中身が耳に入ってきました。

各財務局のホームページにもその様子がアップされています。

これに類するシンポジウムはリレバンの議論が始まって以来、10年以上の歴史があり、この場において各地の中小企業経営者の意識、地域金融機関の姿勢、中小企業支援組織の活動などの片鱗が浮き彫りにされます。

この間、ワタシはずっとフォローしているのですが、今年のシンポジウムでとくに感じたことは、

~経営環境の悪化から地域金融機関の自己中心ぶり (顧客本位はアリバイづくりのなんちゃって) が加速していること、

~中小企業サイドから本音がどんどん出るようになったこと、

です。

橋本卓典さんの著書や、森俊彦さんの全国での中小企業経営者向け講演活動の影響が非常に大きいものと感じます。

来年のシンポジウムはどうなることやら。

 


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コメント

  1. 東北の銀行員 より:

    最近は口先だけの「顧客本位」や見せかけの「リレバン」は既に顧客から見透かされつつあるように感じます。

    因みに私の担当する顧客も橋本さんの「捨て銀」シリーズは全て読破しております。

    「地域金融リテラシー」が高まることで、顧客は「真の顧客本位」を実践している金融機関と、そうでない金融機関を見抜けるようになってきます。

    今まで収益を単なる「目標の割振り」「営業推進」という戦略無き戦術により奪取してきた銀行は、これからは逆に顧客から「排除」されることになるでしょう。

    取って付けたような「販路紹介」「ビジネスマッチング」による手数料稼ぎ銀行も同様です。

    本当は金融庁の変革に伴うこの4年間がチャンスだったと思うのですが、今からでも間に合います(と思いたいです)。顧客本位の本業支援を徹底すべきです。

    単なる「顧客満足」ではなく、真の「顧客本位」を体現して見せることです。

  2. 多胡秀人 より:

    東北の銀行員さん、

    真の顧客本位の銀行を作ること、

    いまの多くの経営陣(貴方の銀行もそうではないですか)では無理です。

    心ある中堅、若手、そして経営と意見が合わず組織を去ったOB、そして外部からの助っ人が集結して、新しい銀行を作り上げねばなりません。

  3. 東北の銀行員 より:

    多胡様

    いつもお気にかけていただきありがとうございます。

    私は単なるー行員に過ぎないので何の力もないのですが、私個人としては自分の顧客の本業支援を粛々と行うだけです。

    銀行に評価されなくても顧客はちゃんと評価してくれますし(笑)、結果としてそれが銀行の評価に繋がるものと思っております。

  4. 橋本卓典 より:

    ありがとうございます。中小企業の本音。ごもっともです。

    昨日は「集団左遷」という日曜ドラマを見ていました。閉鎖の危機に瀕した三友銀行蒲田支店の支店長を福山雅治が演じます。まだ初回なので、先々の展開は分かりませんが、ノルマ達成を引き替えに店舗閉鎖を撤回させようと奮闘する内容でした。さて、視聴した金融関係者は同じことを思ったはず。

    「そのノルマって、お客様との共通価値創造に繋がるものなんですか?」

    と。簡単に言えば、銀行のノルマは、世の中のために本当になっているのか、ということです。願わくば、このドラマはそうした私の「ツッコみ」を裏切る、良い意味で意外な展開であって欲しいものです。

    古いドラマ制作の感覚から言えば、熱血イケメンさわやか支店長が、到底無理と思われたノルマを山あり谷ありで達成し、支店閉鎖を回避する涙と感動のストーリーなんでしょう。「お客様の声」は反映されているのか、どう整合性をとるのかが、個人的には最大の見せ場です。

    当然、半沢直樹を学習して、ハードルを上げたドラマでしょうから、お客様に寄り添うリレバンを無視した、投信の回転売買、外貨建て保険商品・仕組み債の販売ノルマ、顧客の状況を何も理解しないままの融資というものではないとは思いたいのですが・・・

    ただ、短期間のリレバン運動で、しかも融資(審査)部が典型的な「金融排除的な悪人相(笑)」という、およそ組織体制が整っているとは思えないような銀行で、福山演じる「片岡支店長」がどういうウルトラCを見せるのでしょうか。

    金融庁は「顧客本位にやってないじゃないか!」と半沢直樹の時とはまったく違うセリフで乗り込んで来るのでしょうか(笑)視聴者は困惑するでしょうね。

    はてさて、ドラマとして成立するかどうかは分かりませんが、私の予想の上を行ってほしいと思います。

  5. 増田寿幸 より:

    橋本さんのコメントを読んでジョセフ・スティグリッツの有名な言葉を思い出しました。彼がリーマンショック後に日本のマスコミに語った言葉です。「銀行が私利を追及してもそれは社会の幸福にはつながらない」。アダム・スミスの神の手は万能ではないというノーベル賞経済学者のご託宣です。

  6. 橋本卓典 より:

    本当のところ、誰の、何のためになるのか。その通りですね。見えていない領域で何が起きるのかを洞察することが、重要です。