間尺に合わないからノルマ撤廃

~三井住友銀行が個人向け金融商品の販売で、行員に課す「ノルマ」を廃止した。他行から「営業力の強さで突出していた、あの住友が」と驚く声が相次いだ。金融商品の販売額を行員の評価基準から外す動きは業界全体に広がりつつある。やり方を変える背景には強引な営業への「反省」、人材確保という「守り」、提案型営業の強化という「攻め」の3つがある。

24日、日経電子版の記事です。

言わずもがなですが、「反省」「守り」「攻め」という3つのキーワードのうち「守り」、すなわち人材確保のところに注目しました。

ヒューマンアセット崩壊のリスクとノルマ営業によるリターンを秤にかければ、割りに合わないとの判断に至るのは当然のことだと思います。

金融商品の販売額の単位がメガバンクと桁違いに小さく、コスト効率で劣る地域金融機関の場合、なおさらです。

メガバンクの決断が地域金融機関へと波及すると良いのですが、、、

「そんなことをしたらどうやって儲ければいいのか?」

レイジーな地域金融機関からの怨嗟の声が聞こえてきそうです。

「経営理念に立ち返って考えなさい」

としか答えようがありません。

地域金融機関の経営理念は「CSとESと地域貢献」の三点セットが定番です。

経営理念に反することをやっているような企業が栄えることがあるのでしょうか。


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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    3年遅いのです。

    ノルマ廃止を巡っては、地域金融機関のトップの方々と、これまでも口論しました。非常に感情的に反論される方もおられました。お気持ちは分かりますが、時代なのです。

    まず誤解があります。

    そもそも2015年から2016年にかけて先行実施してきた北國銀行や京都信金、浜松信金などにとおっては、いずれも「ノルマ廃止」そのものが目的ではないという点が最も重要なのです。

    「ノルマを廃止してでも、やりたかったこと」があり、その実現のために、どうしてもノルマが阻害要因となってしまう、という悩んだ上での決断です。

    「何?どうしてもやりたかったこととは何か?」

    すみません。それは自分でお考えになってください。人に指図されるものではありません。それこそが、多胡さんがご指摘の経営理念の根幹です。何も思いつかないなら、ノルマと指示待ち機械人間の経営を続ければ良いのです。

    金融庁がノルマ廃止を含む経営改革を評価するやいなや、いくつかの金融機関がノルマ廃止を追随していますが、どうなんでしょう。そのほとんどが、「形式・手段」の目的化ではないでしょうか?業務プロセス、システム開発まで含めて変えているのでしょうか。

    それだけではありません。

    先行している金融機関は、職員の評価、議論の仕方についても、悩みながら相当に進化している、と私は思っています。まず会議が全然違います。「目で見える・計測できるノルマ」を廃止しても変わりません。「目で見えていない部分」を変えなければ本当の変革運動ではありません。

    捨て銀3でも書きましたが、多すぎる規模はもはや脅威です。メガバンクにいる一人一人の人間は、私の話を理解できるはずですが、万を超える人間が集う組織になると話は別です。理念と実践を徹底させ、幸福と共感を育んでいくことは相当に難しいでしょう。

    齢50を前に、執行役員になれなかった銀行員たちは毎年、事実上の退職宣告をされています。我々は一体、何になりたいのでしょうか。悲哀。

  2. ミザール より:

    当局がどうのこうのという関心は止めるべき。上部団体も金融庁はこう見ているとか、他の金融検査でこういう指摘をされたとかという話をすべきでない。

    金融機関自体が一般市民社会人としての責任自覚をしっかり持つ必要がある。

    あとは金融機関として顧客に受け入れられるかの活動を行うだけ。

    あそこがこうだから、これが評判いいから、そんなんことは単なるニュースとして、

    奢らず 他と比べず 面白がって 自信をもって平然と自分たちがいいと思った仕事を行うだけ。

    自分の存在を保証してくれるような評価など求めての施策などするべきでない。

    一人の人間の生き方と同じである。

    しかし金融機関は集合体である。それをどう導いてゆくかは経営者の力量。

    だけど金融機関の人間だけではないと思うけど、考えることをしない。そして本も全然読んでいない。体裁とメンツだけを大切にして生きている。

    これだから捨てられます。

  3. ミザール より:

    当局がどうのこうのという関心は止めるべき。上部団体も金融庁はこう見ているとか、他の金融検査でこういう指摘をされたとかという話をすべきでない。

    金融機関自体が一般市民社会人としての責任自覚をしっかり持つ必要がある。

    あとは金融機関として顧客に受け入れられるかの活動を行うだけ。

    あそこがこうだから、これが評判いいから、そんなんことは単なるニュースとして、

    奢らず 他と比べず 面白がって 自信をもって平然と自分たちがいいと思った仕事を行うだけ。

    自分の存在を保証してくれるような評価など求めての施策などするべきでない。

    一人の人間の生き方と同じである。

    しかし金融機関は集合体である。それをどう導いてゆくかは経営者の力量。

    だけど金融機関の人間だけではないと思うけど、考えることをしない。そして本も全然読んでいない。体裁とメンツだけを大切にして生きている。

    これだから捨てられます。

  4. 山猿 より:

    本来経営理念は万能です。

    『誰のために、何をするのか』が書いてあるものです。

    この経営理念を実践するからこそ、社会から存在を許されるものだと思ってきましたし、これに反すれば社会から抹消される事になるぞと言う『約束のもの』のはずです。

    そうあるべきだという事が軽んじられる世の中なのだとしたら、お先は暗いですが、そうではないと信じてます。

  5. 新田信行 より:

    ノルマ廃止は、組織価値と企業文化の一部でしかありません。私は当組に来て、ノルマ廃止を唱えて6年経ちますが、未だに目指す組織文化構築の途上です。皆さんに、本質を理解していただきたいです。

  6. 新田信行 より:

    ノルマ廃止は、組織文化の一部でしかありません。そして、組織価値の実現のためには、それを産み出す組織文化が前提となります。

    当組は、6年前からノルマ廃止を唱えていますが、今なお、組織文化の創造途上にあります。表面に止まらず、全体的な深い思考が求められると思います。