コンダクトリスクは恐ろしい

あるところで地域金融機関のコンダクトリスクについての意見交換を行いました。

コンダクトリスクは市場の健全性や顧客保護を脅かすような行為が生じる可能性をいうのですが、「企業文化」に起因するものと考えられます。

たとえば、行き過ぎたノルマ主義は、コンダクトリスクの大きな誘発要因であり、このリスクはヒュマンアセットを減損させ、顧客とのリレーションシップキャピタルをも崩壊させる恐ろしいものです。

数年前、金融庁の金融仲介あり方検討会議で、「企業文化」というベンチマークが俎上に乗ったことがありましたが、それ以上の議論に発展しませんでした。

コンダクトリスクを改めて真剣に考える時期に来ていると思います。


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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    お客様、社会からどう見られているか、を気にしないという金融機関の「当たり前」がおかしいのではないか、という当たり前の価値観に変わってきたということです。

    世の中、消費税率が上がるのに生保が事業者に節税保険を売りまくる。このセンスの悪さと言ったら目も当てられません。加えて、キャッシュアウトが自己資本率の低い事業者の資金ショートリスクを高めることに何の洞察もない保険、税理士などもセンスが悪すぎます。

    某生保は、東京五輪のチケットを保険代理店の成績報酬にすると臆面も無く表明し、その後撤回に追い込まれました。美意識、センスの問題です。

    某証券の刑事事件連発は周知の通りです。こうしたセンスの悪さは、結局のところ、金融庁にも当然はねます。「計測できない世界」の諸問題が因果して、別の形で作用として現象化するのは間違いありません。このことが分からないセンスの悪さも絶望的です。

    お天道様に恥ずかしくないことをしていれば、あらゆる恐怖から自由になれるのです。

    ※一部銀行では既にコンダクトリスクチームなどを運用しています。捨て銀3で書いたレッドチームもその一端です。半面、運用の難しさもあります。

  2. 寺岡雅顕 より:

     「金融機関の常識は、世間の非常識」と気が付き始めたところもあります。

     一方、残念ながら、現場の長(支店長)に気が付いていない(徹底できていない)方がまだまだ多いようです。経営が気が付いている金融機関であっても、残念ながら、パワハラやつい手が出てしまった事件を耳にすることがあります。モンスター職員につい手が出てしまったというケースもあるのでしょうし、愛情表現のつもりということもあるでしょうが、今の時代許されるものではありません。(これは30年前、私にも経験があるので、気持ちは分かります、反省を込めて(謝))

     数年前と比較すれば、まだまだ一部ですが、本部人事・企画担当に変化が見え始めたのは進歩ではあります。

  3. 新田信行 より:

    GABVのスコアカードは、Why?How?What?の順番に記入していきます。日本のビジネスモデルの議論が、How?What?ばかりで、最も重要なWhy?という存在目的への問いかけが欠けていることが心配です。

    GABVがCULTURE=文化を六原則の中心に置いているのも、同じ理由です。

    GABVはリーマンショックの反省から生まれています。Why?とCultureが欠けていたから、リーマンショックが起きてしまったとの反省だと思います。

  4. 森脇ゆき より:

    「売上」は企業活動にはとても重要です。

    例えば、洋服のブランドショップの店員さんや、カフェの店員さんは、商品が好きで働いているとしたら、「このシャツには、このスカートが合いますよ」とか「こちらの新商品はいかがですか」という心からのセールスが自然とできるようになるし、カリスマにもなれます。

    私たちの取り扱うものは”お金”です。私はたまたま金融機関に就職した人間で、お金の役割、お金の本質を知らずにしばらく勤めていました。

    経済の血液であるお金は、良くも悪くもなる訳で、金融機関に勤務する私は当然に良いお金という血液を循環させる使命を持つ大変尊い仕事だと気づいた時は驚きでした。

    取り扱っているお金の素敵さを知って金融に携わる人は、世の中に何を提供するのかブレない気がします。