形式主義はもうやめませんか

「金融庁が不正や癒着の防止のため、大手銀行や地方銀行に求めてきた営業担当者の定期的な人事異動を撤廃することが15日、分かった。今秋にも該当する監督指針を見直す方針。中小企業の円滑な事業承継や個人顧客の資産形成をサポートするには、営業担当者との長期的な信頼関係の構築が不可欠と判断した。」

銀行の定期異動ルール撤廃に関わる共同通信ニュースが、本日、多くの地方紙等に掲載されています。

顧客本位のリレーションシップバンキングを進める上でネックとなっていた現場の数年単位の異動は大きな障害となっていました。

短期的なローテーションを行うことが、不正や癒着の防止、すなわちコンプライアンス対策と決めつけることこそが形式主義であり、それによって最も重要な顧客リレーションに支障が出るというのはあってはならないことです。

ローテーション以外でもコンプライアンス面で歯止めをかける方法はいくらでもあります。

コンプライアンスもそうですが、ガバナンスも形式主義によって本質を踏み外すことは避けねばなりません。

社外役員の頭数揃え、女性役員の比率などなど形式主義になりかねない話は少なくありません。

地域金融機関のトップなど経営陣の形式的な定年制度も撤廃し、解任規定を強化することが本質だと思います。

 

 

 

 

 

 


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コメント

  1. 寺岡雅顕 より:

    ある地域金融機関の支店長人事で、お取引先の声が経営トップの耳に入り、「異例の4年目に突入した」という話を、最近聞きました。

     

     トップが、その支店のお取引き先をいくつか訪問されたそうです。そのおり、お客様から、例外なく「移動はこまる」との声が出たと聞きます。他の機会を通じても、この支店長に対する評価はトップに届いていたようです。

     栄転させることを、トップは考えていたようですが、本人に留任の是非を問うと、「望むところだ」という返事で留任を決めたということです。

     支店長たるもの、これくらいお取引先の支持いただけるようであって欲しいものです。

    ★★ 

     忘れるところでした。

     よくある支店長に都合の良い所を訪問したわけではないようです。

     トップ渉外となると、不都合な先は訪問しない・・・というケースが多いですが(笑)。

  2. 森脇ゆき より:

    定期的な人事異動の撤廃は長年営業を担当した者としては、大賛成です。更にやりがいが増すというもので、大変嬉しいニュースです。

    お客様本位の業務運営に対する取り組み本気度合い&職員への浸透度合いが浮き彫りになりそうですね。

    もしこの件に反対する金融機関があれば、それは良くない金融機関の可能性が高いと思います。

    【現状通り担当変更したい金融機関】

    *担当変更前後に起こる乗換の嵐がなくなる。(密かに”焦土営業”と名付けました)

    *コンプライアンス的リスクの高まり

    金融庁の仕組み作りをの穴を見つけて回避したり、形式を整えるのではなく、これを前向きに捉え、仕組みが自社の追い風になるように職員へのハラオチ&意識改革がある金融機関は魅力的です。