八代論考を読んで

昨日、八代アソシエイツのホームページに八代さんの論考がアップされました。

「地域金融機関の経営統合の大義は何か」

ワタシもこの論考の趣旨と同意見を持っていますが、合併を経験した銀行出身ならではの鋭い切り口です。

とくに最後のパラグラフは痛烈です。

そして、この論考が9月6日に書かれたことのインプリケーションを末尾で読み取ることができるのです。

 


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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    冴え渡る八代論考。

    「未来投資会議は問題意識を持たないということなのだろうが、モノのシェアードサービス化程度であれば、業務提携だけで十分に対応できるにもかかわらず、ヒトのシェアードサービス化(=根絶やし)まで伴う経営統合にまでこだわる理由がよくわからない。」

    が痛快。私もさっぱり分からない(笑)

    未来投資会議の言うところの経営統合の本質は、「人切り」の可能性が濃厚。トランザクションの合理化によって、なんとか銀行を存続させようということが目的化している気がして仕方がありません。そうであれば、行き着くところは必然的に「人切り」。

    他方、金融庁は「共通価値の創造」を掲げています。言うまでも無く、地域との共通価値の創造です。

    理屈上は「余力がなければ、リレバンをやろうにもできない。まともな金融仲介すらできなくなる。だから統合が先」というものです。

    ところが、人間様とは不思議な生き物で、いつの間にやら、「余力」をつけることが目的化し、いつまでも「余力」をつけ続けることが最優先になってしまうような気がしています。

    合併特例法は、順序が逆転している気がします。リレバンに真剣に取り組んだところにこそ、優遇措置を与えるようなインセンティブの設計にしなかったことが、のちのち、ボタンの掛け違いを招きかねないと危惧します。「勉強するためにお菓子が欲しい」と駄々をこねる子供と、勉強を一生懸命している子供にお菓子をあげることは意味が違います。

    繰り返しますが、物事に完全な両立は大抵ありません。1ミリでも優先順位があります。