老醜を晒すな

仕事がら地域金融機関のホームページやディスクロージャー誌を見ることが多く、まずは経営理念を確認します。経営理念こそポスト金融検査マニュアルの一気通貫経営の起点となるからです。

経営理念ともにトップの挨拶もチェックポイントとなるのですが、執行トップである頭取/理事長だけではなく、会長と二人での挨拶というケースがあります。これに違和感を感じるのはワタシだけでしょうか。

ほとんどの頭取/理事長さんは会長に退くときには、執行から距離を置くものです。である以上、ホームページやディスクロージャー誌の顔のところにノコノコ出てくるのは違うのではないかと思います。

昨日、地域金融機関 Xへの出張から帰ってきた Pさんから、「 Xのガバナンスが心配だ」との話を聞き、早速ホームページを見たところ、挨拶コーナーの登場するのは会長さんのみ。このような金融機関は初めてです。

かつて取締役相談役という意味不明な役職の人がいました (ワタシの知る限り、地域金融機関には2人いました) が、挨拶コーナーにトップを差しおいて登場する会長さんも同じ穴のムジナに見えます。

ワタシも馬齢を重ねていますが、老醜を晒すことのないよう気をつけたいと思います。

近くにいる皆さん、おかしくなったら厳しくご指摘ください。


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 森脇ゆき より:

    私も自分が見えていないことが不安です。でも進みたいので、好きなように歩いてはいます。

    おかしなことがございましたら、教えてください。

  2. 増田雅俊 より:

    ご意見ごもっとも・・・信金の経営責任は理事長職にあります!

    会長職に就かれた方は金庫の経営・業界の役職とは一線を画し、業務外の地域貢献・社会貢献に徹すべきとの認識に立っております!

  3. 増田雅俊 より:

    ご意見ごもっとも・・・信用金庫の経営責任は理事長職が負うべきと存じます!

    会長職に就かれた方は、金庫の経営・業界の役職とは一線を画し、業務外の地域貢献・社会貢献に徹すべきと認識しております!

  4. 増田寿幸 より:

    稚内の増田さんに賛成です。そもそも会長職が執行に手をつけたら承継がスムーズに行くはずがない。「では、あなたはジンテックや金融財政のセミナーでどうして地域金融の話をするのか?」と聞かれたら、「はい、それは社会貢献です」と私は答えるでありましょう。え、へ、へ。

  5. 八代恭一郎 より:

    地方創生と地域貢献が同一と仮定すれば、目下地方創生が地方銀行株の株主価値向上(低PBRの益出しディールによる!)と捉えられがちなご時世(苦笑)。

    奇しくも増田姓の2名の賢人からの投稿。

    共通するのは株式会社ではなく、協同組織の重鎮。

    ガバナンス関連門外漢とはいえ、きわめてタイムリーと思います。

    とはいえ、理事長と会長が並んで写真におさまっているディスクロージャーが協同組織金融機関にさえあることも事実。

    ガバナンスも形式ではなく、実質です。

    え、へ、へ。

  6. 増田雅俊 より:

    寿幸会長に座布団1枚、いや3枚です♪

  7. 増田雅俊 より:

    八代さん、ご無沙汰しておりました_(._.)_

    いつも若い職員が鎌ヶ谷でお世話になっており、感謝申し上げます!

    寿幸会長は重鎮ですが、私はまだ若手理事長です(笑)

  8. 橋本卓典 より:

    公開情報でしたので、敢えて明記しますが島根銀行はかつて、ホームページに掲載している「組織図」に、「取締役相談役」という奇妙な肩書の元トップが、「取締役頭取」の上位として明記されていました。「取締役頭取」をも上回る「取締役相談役」が事実上、最高権限を握っていたのも周知の事実です。驚くべきことは、これをホームページに堂々、掲載していたことです。

    肩書の異常さを指摘しているのではありません。分際を遥かに超えた本社ビルの話は有名ですが、当然、取締役相談役の決定事項でした。

    当の金融庁は森長官がトップダウンで指摘するまで、まったく検査の現場は警戒すらしておりませんでした。数字しか見ていないからです。過去の計数管理だけで検査がとどまっていたからです。

    スルガ銀行にしても、西武信金にしても、東日本銀行にしても、商工中金にしても、明るみになると大騒ぎするくせに、本当に大切なことを見ようとしていないのです。本当のリスク、本当の脅威に向き合っていないのです。

    他方、組織ヒエラルキーのマウンティングは実に面白いものです。「最高実力者の自分が掲載されていないと許せない」らしく、ディスクロージャー誌やホームページに、平然と異常な兆候(犬のしょんべんのマーキングですね)を残してくれています。定性情報と軽んじていませんか?これこそが、最高の検査材料だと私は思うのですが。

    ボーナスをもらうときに、いちいちお礼に行かなければならず、お休みを取った時に、いちいちお礼をいかなければならない。心理的安全のない組織こそ、深掘り検査のしがいがありますね。

  9. 旅芸人 より:

    橋本さんのコメントに「ボーナスをもらったら、偉い人のところにお礼にいかねばならない」とありますが、かつてボーナスをもらったら、その何割かをお歳暮お中元の形で上納しなければならない地域金融機関があったことを思い出しました。

    税率の低い人たちへのボーナスを厚めにして、上納の形で税率の高い人へのボーナスの補填にする。すげえ節税対策だな、と驚いたものです。

    20数年前に聞いた話です。

    さすがに今はそんなことやっていないでしょうが。

  10. 新田信行 より:

    サステナブルとは、未来にしわ寄せしないことであり、未来を思うということは、子供や孫を思うことです。子供や孫を愛することができなくなった老人を老醜と云います。

    成人発達理論によれば、人の心は死ぬまで成長出来るそうです。老醜とは、成長を拒否し、ダークサイドに堕ちた方々のように思えます😢💦

  11. 増田雅俊 より:

    お歳暮・お中元での還元・・・そんな信金がありましたねぇ、懐かしい(爆笑)