本物のフィンテック企業は究極の顧客本位

フィンテックの第一人者といえる方の話を聞いて非常にインパクトがあったのは、

フィンテック企業の中で成果を上げているところは「真の意味で顧客の目線である」ことでした。

究極の顧客本位です。

インターネットバンキングやスマホアプリのように、金融サービスが顧客と直結している業務 (サービスを提供する側にヒトが介在しない) では、「顧客本位の技術革新」が目覚ましいのですが、ラストワンマイル (最後の顧客接点) をマンパワーに依存する業務となると、少なくとも現状では金融機関が本気にならねばフィンテック企業の「究極の顧客本位の思想」は活きません。

ラストワンマイルを担う地域金融機関としては、マンパワーに頼るべき業務で、フィンテック企業のノウハウを如何に活用するかが問われています。

 

 


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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    多胡さんの論旨を延長すると、Emotional Intelligenceが欠落した人間は、生きにくい社会となるでしょう。人を本気にさせるチカラと、そう感じ取れる豊かな心がなければ、ラストワンマイルを満たすことはできないと思います。

    思うに「AmazonGo」に対する日本の理解(人件費削減だの、無人店舗だの)は、間違っているのではないでしょうか。そもそも店舗を持たない彼らが、なぜリアルに躍り出てきたのか。人件費カットの為でしょうか?論理矛盾です。

    パソコン画面の向こう側ではどうしても手の届かなかった「顧客の感情の揺らぎ」を計測しに来ているのだと思います。人は何に心が揺らぐのでしょうか。それはなぜでしょうか。Emotional Intelligenceがなければ、サブスクリプションからも外されます。

    思えば、地域金融は、非常に恵まれた立ち位置にいるにもかかわらず、ひたすらEmotional Intelligenceから逃げ、組織的対応と機械人間の管理に勤しんできたのではないでしょうか。金融行政の責任もありますが、果たしてそれだけでしょうか。金融庁に今更「共通価値の創造」と諭されること自体が恥ずべきことなのです。

  2. 橋本卓典 より:

    追伸。

    多胡さんのご指摘されるフィンテックの第一人者の方こそ、認知症対策に私財を投じ、「起業家をまず褒めてあげてください」と、胸を張っておっしゃる方です。

    地域金融の方は、リスクを専らに背負う起業家・事業承継の方を褒めてあげているのでしょうか。

  3. 増田寿幸 より:

    橋本さんが「「顧客の感情の揺らぎ」を計測しに来ているのだと思います」という認識を示される点に超共感します。そうです、感情の揺らぎを観測することが、地域金融の本質だと思うのです。ただし、とても難しくて、私たちは苦戦しておりまする。

  4. 東北の銀行員 より:

    例えば、銀行の固有業務であった筈の「預金」「決済(為替)」機能がSuicaやLINEPay等に代替されつつあるのは後者の方が顧客本位であることの証明なのだと思いますし、「貸付」にしても今やソーシャルレンディングやクラウドファンディングという手段があります。

    銀行にとっては為替手数料や貸出金利の減少は明らかで、一見すると銀行の「伝統的金融サービス」は終わろうとしているように感じますがしかし、遠藤長官は3日のインタビューで「個客と中長期的な信頼関係を結ぶビジネスモデルを真剣に考えれば(利ざやなどの)資金利益は確保できる」と答えています。

    「何を今更」と感じる方もいるかも知れませんが、銀行が真剣に考えていないからこそ長官は敢えて強調しているように感じました。

    振込手数料等の改訂を検討する向きもあるようですが、残念ながら世の中は遙か先に進んでおります。

    「真剣に」「その気に」なれないのならば、手っ取り早く手数料のサブスク(笑)でもやってみては如何でしょうか。

  5. 新田信行 より:

    アマゾンの理念は、世界一のカスタマーエクスペリエンスです。アリババの理念は、テクノロジーによる、金融包摂です。彼らの真の恐ろしさは、テクノロジーは自社の理念実現のための手段であることです。フィンテックは目的ではなく、手段なのです。

    日本のフィンテック業者の理念は、彼らに勝るでしょうか?私は、金融もまた、目的ではなく、手段だと考えています。人々の共感を呼ぶ理念の争いになっていることに、日本は気付かなければなりません。