現代の米百俵

2001年の小泉首相の所信表明演説で世間にあまねく知れわたった「米百俵」。

戊辰戦争で敗れた越後長岡藩 (詳しくは司馬遼太郎の「峠」) に、親類である越後三根山藩から百俵の米が届きます。当時の長岡藩の大参事 小林虎三郎はこの米を家中に分配せず、国漢学校の設立資金に充当しました。「食えないから学校を作る」

「どんな苦境にあっても次世代層の教育はおろそかにできない」この精神で立ち上がった地域金融機関があります。

受験一辺倒の学校教育に疑問を持ち、2012年に私塾 (現代版寺子屋) を開校。青少年を対象とし、高い志を持って将来的に社会の中で活躍できる人材の育成を目指した教育活動を粛々と進めています。

SDGsに熱心な地域金融機関は急増しているのですが、私募債や金利優遇融資ばかりで、このような取り組みを行なっているところは他には見当たりません。

「貧すれば鈍する」

SDGsまで商売道具にするとは如何なものか。

それにしても長岡藩のお膝元、新潟の二つの地方銀行の経営統合、合併の施策の中で、「米百俵」が出てこないのは寂しいですね。長岡に本店を構える大光銀行に期待しましょうか。

ちなみに現代の寺子屋を作った地域金融機関の人たちは、これ見よがしにSDGsバッチをつけたりしません。

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コメント

  1. 笹男子 より:

    あれは長岡の花火をモチーフにしたバッチではなかったのですね。

    冗談はさておき、胸に輝くホイールが意味するのは、所属組織のみならず、着用者ご本人も活動に積極関与している証(表面)だと思うのですが、付けている方に趣旨を問うても、これ迄まともな回答が返ってきたことは…
    残念です