ポスト検査マニュアル、信金アンケートを見て

静岡県は信用金庫のネットワークができており、信金王国ともいわれていますが、本日の日本経済新聞 静岡版では、各信用金庫の金融検査マニュアル廃止についての意識調査とその対応についてのアンケート結果を掲載しています。

記事中の各信用金庫のコメントを見ると、9月に公表されたディスカッションペーパー「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方(案)」をしっかりと読み込んでいるところと、そうでないところとがハッキリしています。

「地域の特性を考慮した顧客サポート体制の構築が可能になる。具体的には、取引先の成長性を重視した事業性評価の充実のため、相談業務に職員を手厚く配置する」といった表面つらを取り繕った回答よりも、

「マニュアルに基づいて実務経験を積んでいる職員が多い」、「当面はマニュアルに基づいて行っていた業務を継続していく」と正直に回答した金庫に好感が持てました。

このような企画は良いと思うのですが、ディスカッションペーパーの 34ページ【BOX4】についての各信用金庫の意見を聴取してほしかったですね。

ディスカッションペーパーのキモともいえる【BOX4】には、「破綻懸念先であっても、キャッシュフローが見込める事業等の運転資金は正常運転資金」と記載されており、中小企業の再成長・再チャレンジをあと押しする内容であり、信用金庫経営の真骨頂が問われるところだからです。

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コメント

  1. 山猿 より:

    『破綻懸念先であっても正常運転資金』をしっかりと投入しながら改善支援していく事は本当に必要ですが、そういう状況下では金融機関も企業サイドも不安だらけです。自身の計測器では測れない部分が多すぎて不安になります。でも『都度正確に効果計測しながら』とか『しっかり伴走しながら』継続的に運転資金を打ち続ければ不安は少しづつ解消されていきます。
    そうするリソースが自社に無いと思われるなら外に目を向けて欲しいところです。地域の中小企業の為に働く組織は、実はたくさんあります。