🚩虫唾が走る、ゼロゼロ予約

昨晩の緊急事態の全面解除にかかわる首相の記者会見の中に、無利子無担保融資(ゼロゼロ)が急増しているとの話がありました。

全国各地で多くの地域金融機関が、それまでと打って変わって、「ゼロゼロ予約」の獲得に向けて走り回っているようです。

ゼロゼロ融資は貸し手にとってリスクがなく、いずれ当局から報告を求められたときに残高の多寡が問題になるであろうとの思いで、予約の枠取り競争をやっているように思います。

このブログで壊れたレコードのように書いていますが、地域金融機関が真価を問われるのは、ゼロゼロによる資金繰り安定化のところではありません。

借入残高が増えることを懸念する事業者の相談相手として、ウイズコロナ、アフターコロナの事業展開を一緒に考える姿勢、これこそがいま地域金融機関に求められることです。

事業面での相談相手となれない(能力面で)、なろうとしない(責任感の欠如)、そういう地域金融機関はゼロゼロを扱う資格はありません。

ワタシの見る限り、ゼロゼロ予約競争にうつつをぬかす地域金融機関の大多数は融資を行うことが目的化しており、融資実行すれば一丁上がりです。

事業者はこういう金融機関からゼロゼロを借りてはいけません。金融リテラシーが問われますよ。結局損をするのはあなたです。

信用保証協会もこういう金融機関に対する監視を怠ってはいけません。いまや信用保証協会は保証残高を増やせばいいわけではないでしょう。

金融庁や財務局もゼロゼロの残高だけで地域金融機関のコロナ対応の優劣を判断するような愚かなことをやってはいけません。

ゼロゼロ予約、この言葉に虫唾が走るのはワタシだけでしょうか。

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コメント

  1. 北門信金企業支援室長 伊藤貢作 より:

    昔アメリカに留学している時に、アメリカ軍の太平洋戦争中の戦闘指揮についてこんな評価がありました。

    幼年学校→陸軍士官学校→陸軍大学を出たエリート軍官僚は、画一的な純正培養教育しか受けておらず

    自分達が受けてきた教育通りに推移していない、戦況推移を一切認めず、殆どを現場の責任に押し付け、同様の失敗を繰り返した。

    現実を直視する力に欠け、戦法を変更するという柔軟性に欠き『1000人で銃剣突撃してダメなら2000人で銃剣突撃すればよい』という、自らが信じる手法に固執した。

    というような内容だったように記憶しております。

    しかも、誤った戦果確認も、『既に陛下に上奏済み』として変更を許さず、形式論と手続論の担保という概念だけで決戦地域を決定し

    多大な犠牲を出しました。

    裸になれば皆平等!とは言いますが、金持ちは銭湯に行きません。エリートは銃弾も飛んで来ない、砲声も聞こえない立派な防空壕から、一歩も出てこんでしょう(笑)