🚩リーマンショックの教訓

リーマンショックの直撃を受けた製造業の集積地に地盤を持つ某地域金融機関の当時の経営幹部が語ったこと。

~大手企業の一次下請企業は二次下請企業の仕事を取り込み、二次は三次の仕事を、三次は四次をという具合に仕事を吸い上げていったために、しわ寄せは最下層に行き、その層で倒産が増えた。

~廃業の意向を表明する事業者は今回のように多くはなかった。事業者の経営者層は今と比べると若かったこともあるのではないか。

~(いまのゼロゼロ融資と同じ全額保証の)緊急保証融資にプロパー融資を併用し、逼迫する取引先の資金需要に対応した。地元金融機関の融資残高は急増し、リーマンショック発生の直後はむしろ好決算となった。

~地元企業の倒産増加まではタイムラグがあり、金融機関の決算に影響が出たのは次年度以降だった。

この話を今回のコロナ恐慌に当てはめてみると、今年度の地域金融機関の決算への打撃は少ないものと考えられます。

好決算に浮かれることなく、この間に次年度以降を展望し、フォワードルッキングの貸倒引当金を積み上げること、それ以上に地域事業者のポストコロナの事業展開の相談に乗り、事業支援に尽力しなければなりません。

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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    まさに検査マニュアルを廃止していて本当に良かったと思います。過去情報に依拠しているとロクでもありません。ただし、今のゼロゼロは事業者の資金繰りをつないだ点では意味があるのですが、所詮それは息継ぎに過ぎず、むしろ民間金融機関をますますアホにしているのではないかと危惧します。民間金融機関がノーリスクで1%の貸出金利狙いで、「規模と推進による事業性無視の融資」に先祖返りしている兆候があります。もちろん一部には目覚めた地銀も出てきました。しかし、勘違い銀行は重篤化しています。金融庁は、金融仲介機能の発揮の点検とともに、事業者の経営改善にどう金融機関が取り組むのかを詰めてヒアリングしていく必要があります。

  2. 新田信行 より:

    コロナ危機対応は、これからが本番です。
    言わば、危機対応融資を実行したほとんどの先が、事業再生対象となったわけです。当たり前のことですが、融資は実行することが目的ではなく、実行してからが重要なのです。
    これから先の数年を考えると、身の引き締まる思いです。

  3. 増田寿幸 より:

    新田さんの名言、「融資は実行後が本番」、そうですよね。誤解を恐れず言うなら、私は、ただいま、ワクワクしておりまする。

  4. 地域経済活性化支援人 より:

    仰る通りこれからが本番なのですが、一部では既に融資残高稼ぎも終わり今度は手数料稼ぎなんてアホなことをやってる金融機関もあるようです。
    今回実行したコロナ融資って「いま」何もしなかったら数年後間違いなく廃業と条件変更の山となって返って来るんですけど…
    理解されてるんでしょうか?

    言い方はアレですがコロナ禍は地域金融機関の真贋を見極める機会なのかも知れませんね。