🚩後顧の憂いなく本業支援

第二地銀のきらやか銀行(山形市)と仙台銀行(仙台市)を傘下に持つ「じもとホールディングス」に対するSBIの出資が昨日、発表されました。

~直前に1週間延期し、同日発表した20年4~9月期決算で、きらやか銀の通期の最終損益は42億円の赤字を予想する。9月末で43億円に達する有価証券評価損を全額処理するためだ。(中略)粟野社長は「SBIは我々にはないノウハウがある」と指摘する。すでにSBIに委託して含み益に転換した仙台銀に続き、きらやか銀も有価証券の運用を委ねる。(20日、日経電子版)

きらやか銀行はワタシの評価では数少ない組織的継続的なリレバンを実践している銀行の一つであり、10年ほど前にはその組織的継続的な活動が評価され、東北財務局からビジネスモデル(単発事例ではなく)に対する顕彰を受けています。

金融庁がこの数年実施している顧客アンケートにおいても、きらやか銀行は地域銀行105行の中で群を抜いた評価を得ていると言われており、メディア報道からもそのことが窺われます。

~きらやか銀は中小企業の「本業支援」を掲げ、面倒見のよい銀行として地元でも定評があった。他行より金利が高くても融資できる関係を築き、貸出金利息などから得られる本業利益は前期に5期ぶりに黒字化。有価証券の売却益などに頼らない体制ができ始めたばかりだった。(19日、日経電子版)

今回、アキレス腱だった有価証券運用にかかわる評価損を全額処理することで、後顧の憂いなくリレバン(顧客サービス損益の黒字化の立役者です)に専念できるようになったことは大きな前進と考えられます。

日銀時代にバーゼル監督委員会の日本代表であり、中小小規模企業の目線で地域金融を見守っている森俊彦さんが社外取締役に就任することで、きらやか銀行のリスク管理は万全となり、併せてリレバンモデルのバージョンアップも期待できます。

ウイズコロナ・ポストコロナにおいて地域銀行の行うべきことは資金繰り支援の美名のもとに中小小規模事業者を借金漬けにすることではありません。

いまや顧客がお金のことを考えることなく事業に集中できるような真の資金繰り支援から、事業支援(きらやか銀行のいう本業支援)のステージに移っています。

本業支援の先駆者、きらやか銀行の今後の活躍を応援しています。


★★★きらやか銀行についてはこちらもご覧ください。

待望していた、きらやか銀行 (本店 山形市) の新しいテレビコマーシャルが、同銀行のホームページに上がってきました。〔拍手〕今回の主役は、も...

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コメント

  1. 北門信金企業支援室長 伊藤貢作 より:

    僕も先日、じっくりと取り組みを拝聴できるチャンスに恵まれました。

    多分、文字やポンチ絵だけを目で追うと『こんなの誰にもでもできるじゃん』って金融マンは思うだろうと感じます。

    そして、忙しいからできないだけ。そんなにヒマじゃないから、人員がいないからやらないだけ。であって、やればできるんだ。と言うと思います。

    でも一番大変なのは『やること』『やり続けること』ですし、やってみると本当に大変なことばかりです。それは企業支援をやっている者として本当に良く解ります。

    僕のプレゼン時間いらなかったな。と、もう少し色んなお話聞きたかったなと思いました(笑)