🚩トランジション・ファイナンスの前にやることがある

「りそな、ESG投融資10兆円 中小企業に変化促す」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD310TS0R30C21A5000000/

本日夕刻の日経電子版です。

~りそなホールディングスは2030年度までに中堅・中小企業向けのESG(環境・社会・企業統治)型の投融資に10兆円を投じる。環境規制などへの対応を促すほか、脱炭素に向けた取り組みを金融面で支える「トランジション・ファイナンス」などを念頭におく。50年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする政府目標を踏まえ、中堅・中小企業の変化を後押しする。(当該記事より)

まず、中小小規模企業がESGの意識をもっと持たねばならない(だから環境規制などへの対応を促す)という点には異論がありません。

実際のところ、4月16日の環境省主催のESG金融ハイレベルパネルでの感想も、ESG金融の焦点が大企業・上場企業から中小小規模企業へと移り、間接金融の担い手ある地域金融機関の役割の重要性が高まったというものです。

だからと言って、中小企業に対し、即トランジション・ファイナンス、それも10兆円とぶち上げるのには大いに違和感があります。

中小小規模事業者のESGへの意識がまだまだ不十分である以上、まずは中小小規模事業者に対し、日々の事業支援の中でESGの重要性を説き続けるという地道な“啓蒙活動”が先ではないでしょうか。

この数年の金融行政において、中小企業金融・地域金融は「資金供給」と「本業支援」の両輪であり、この両輪の考え方は2003年のリレバンのあり方検討会議から一貫しています。

ESG中小企業金融・ESG地域金融は、「資金供給」のところだけで完結するものではありません。

大企業や上場企業の場合には「環境格付や環境私募債等・イコール・ESG金融」で結構なのですが、中小小規模事業者の場合には、それと同時に、というよりはそれ以前に「本業支援」のところで、ESGの啓蒙活動をしっかりやることが求められます。

コロナ禍の今、地域金融機関の「本業支援」はウイズコロナ・ポストコロナの新様式に対応できるような待ったなしの「事業変革」の支援です。

この「事業変革支援」にESGの要素を組み込むこと、さらにはSDGsやBCPの視点を入れていくことこそが、今やるべきではないでしょうか。

トランジション・ファイナンスというのはそのプロセスの中で自ずと出てくるものです。

従来のESG金融の論点は、大企業・上場企業と機関投資家、株式市場が主たるものでしたが、4月16日のESG金融ハイレベル・パネル(第4回、環...

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コメント

  1. 橋本卓典 より:

    まずは「なんとしても生き残るんだ」「死んでたまるか」という意識を事業者と金融機関が共有することからですよね。その意味で、「日々」、「目先」、「ちょっと先」あたりまで考えられるようになってから「時代ってどうなるんでしょうね」「これからの企業間取引、自治体の調達ってどうなるんだろう」という「先」を見越した行動変容を話し合えるのではないでしょうか。「日々」を生きるのがツラすぎる事業者と、日々しか見ていない忙しすぎる金融機関が「トランジションなんちゃら」と言われても、ツライだけですね。