ISOのサステナブルファイナンスに関する技術委員会では、
「環境・社会・ガバナンスといった要素を経済活動への資金提供に統合すること」
をサステナブルファイナンスと説明しています。(ISO/TC322)
しかし、大企業や上場企業と異なり、地域金融・中小企業金融においては、さらなる踏み込みが必要と考えます。
たとえば、よくある中小企業を発行体とする環境私募債のアレンジは、それだけで地域金融におけるサステナブルファイナンスというわけにはいきません。
これは金融における「資金供給」の機能にESGの要素を統合しているだけであり、本業支援が欠如した「トランザクションバンキング」の議論にとどまるものだからです。
中小企業金融・地域金融では、まずは本業サポートの一環として「ESG/SDGs/BCPの啓蒙活動」から始めねばなりません。ここが大事です。
こういう「汗をかく啓蒙活動」なくして、私募債の手数料の一部の寄付行為だけをもって、ESG/SDGsのアドバルーンを打ち上げるのには違和感があります。
先日の諏訪シンポジウムでは、地元のグローバルニッチの優良企業の経営者がSDGsの認識が弱かったことを吐露しています。
繰り返しますが、中小小規模企業、間接金融の世界では、まずは啓蒙活動からです。
そのための汗をかかずして、環境私募債やSDGs私募債の組成だというのでは、地域金融機関によく見られる
「目先の利益に目がくらんで、手段と目的の履き違え」
とのそしりを免れられないのでは、、、