このところ信用保証協会のことを書いているのですが、それを受けて、メディアの人などから多くの質問を受けます。
一番多い質問は「信用保証協会に保証先の経営改善や本業支援が果たしてできるのか?」。
実はワタシも数年前に同じ疑問を持っていました。
だから信用保証協会の制度改革で、それが入れられた時に「大丈夫か?」と思ったのです、いまだから言いますが。
某信用保証協会(←制度改革のはるか前、平成の初めから実際にこの業務を粛々と行っていた)の方に疑問をぶつけました。
Q「資金決済口座もないのにどうやってやるんですか?」
A「別に決済口座があろうがなかろうが、保証者なのだから、分からないことがあれば、聞けばいいでしょ」
Q「でも保証協会は人数も少ないし、そんな手間をかけられないでしょ」
A「金融機関は預金貸出決済の他に、労力のかかる投信や保険まで売らねばなりませんね。それに対し、保証協会は借り手の保証とその後のフォローアップをしっかりやるだけです。」
言われてみれば、なるほど。
地域金融機関に新卒で入る学生たちは、地域の事業者のお役に立って、地域経済に資することをやりたいと言いますが、その業務にたどり着く前に息切れして早期退職というのが、実態です。
保証協会による保証先への本業支援や経営改善支援は学生さんたちのお望みと合致します。
かつてワタシが上記のようなやりとりをした信用保証協会には、学生が地域トップ地銀の内定を辞退して入ってくるとの話を聞いて、さもありなんと思った次第。
コメント
『保証協会は保証するだけですから』
この言葉の捉え方ですが、『保証』を保証書発行業務だけと考えているのであれば、こんな恐ろしい事はないです。保証書発行しっ放し・・・。
『保証する』とは当然連帯保証人になる事です。保証人は督促とかはしませんし、主債務の方の状況が悪くなれば『大丈夫か?俺にできることはないか?』と心配するのが普通です。
『保証するだけ』とは、今の状況だと『主債務の方々の支援にまっしぐら。ほかに仕事なし』ぐらいの理解でないといけませんね。そういう趣旨だと思います。
H30年の法改正後、まさに今から実績出さんといかんのです。
しかし、保証料だけが収入源だと、必要のない先にも保証料欲しさに貸し付けてしまう危険性があります。計測できない世界の罠です。ですので、経営改善支援の手数料を解禁すべしと思います。事業者は、事業継続は望んでも、負債拡大は望んでいません。