「敷居が高い」
もともとは「不義理・不面目なことなどがあって、その人の家に行きにくい」
という意味なのだそうですが、「気軽に行きにくい、相談しにくい」というたとえで使われています。
地域トップバンク、とりわけガリバー地銀をこのように評することは多いですね。
実際、地域トップバンク、ガリバー地銀の現場のなかには、地元事業者を見下すような失礼な姿勢は少なからずあるように感じます。
地域で事業リスクをとっている方たちに対しリスペクトの気持ちが醸成されるのは普通だと思うのですが、本人たちはそういう意識がなく、側からみて見苦しいものです。
このことが優越的地位の濫用につながり、コロナ禍においても顧客本位とは名ばかりの所業が見られるのは残念です。
翻って、
10月25日の旅芸人ブログでも書きましたが、
~地元事業者との取引は「事業キャッシュフローの改善」に尽きる、そのための資金面、経営面(本業支援を含む)での支援を徹底、そうすれば案件対応で終わってしまうトラバン、プロダクトアウトではなく真の企業ファイナンスになる、
との考え方で“組織的継続的”な対応ができれば、顧客と金融機関の共通価値の創造(CSV)となるのですが、いまだ属人的なレベルから脱することができません。
組織的継続的な行動を阻むのが組織文化、その一つが「敷居の高さ」です。
これこそが、ガリバー地銀、トップ地銀の最大のリスク要因だと思いますが、そういう組織文化に果敢にメスを入れようとする動きはほとんどありません。
「敷居が高い」と尻込みしない企業層だけを相手にしていれば良いとのポリシーを貫くのならば、現状の金融商品サービスの質では十分とは思えません。
メガバンクが国内中小企業取引に対し抑制的な兆候が見えるなか、トップ地銀の活躍すべきゾーンはこの層だと思うのですが、、、
(蛇足ながら、経済基盤が弱くメガバンクの存在感が薄い地域の場合にはその限りではありません。)