🚩単なる再編だけでは一時しのぎにもならない

愛知県に本店を構える第一地銀はなく、3つの第二地銀があるのですが、その中で愛知銀行と中京銀行の経営統合のニュースが昨夕流れました。

あくまでもワタシの印象ですが、両行ともプロダクトアウトのトランザクションバンキング一辺倒の銀行であり、本来リレバン的な業務ですらプロダクアウトに落とし込むようなビジネスモデルです。

地盤とするエリアが同一でビジネスモデルも変わらないのなら一緒にするというのも分からないわけではありません。

たしかに愛知県のマーケットは事業者の厚みがあり、金融機関にとって顧客数が多いのは魅力的ですが、やっていることがプロダクトアウトである限り、価格競争に巻き込まれ、完全なレッドオシャンと言わざるを得ません。先が見えています。

経営統合、合併によってスケールメリットが出てくることは間違いないのですが、スケールメリットが出るまでの時間は思いのほか長く、また合併のための費用(機会コストも含まれる)で相殺されることになりかねません。他の事例を見ても、合併費用で当期利益の何期分かが吹っ飛んでしまうという現実があります。

いばらの道ですが、経営形態やビジネスモデルを抜本的に見直さない限り、未来は開けてこないと思います。

ところで、名古屋に本店を置く信用金庫は多くはありません。愛知県や岐阜県の「メガ信金」は名古屋を主戦場にと積極展開していますが、信用金庫本来のリレーションシップバンキングではなく、ぶら下がり融資での件数/ボリューム追求を中心とした典型的プロダクトアウトです。

愛知県においては、地道なリレーションシップバンキングを行っている地域銀行・信用金庫が極めて少なく、そういうやり方、すなわち中小企業に真摯に向かい合い、企業価値向上を徹底的に支援すればブルーオーシャンだと思うのですが、いかがでしょう。

また、上場する意味を問い直す必要もあるのでは、、、

経営陣の覚悟が問われます。

3日に発表された中京銀行(本店:名古屋)の店舗統合はドラスティックです。 中京銀行は、名古屋市の信用金庫と三重県伊賀地区の相互銀行の...

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