地方銀行がこれからの業務としてあげられるのは、コンサルティング業務と投資銀行業務です。
ワタシごとですが、銀行員時代は25歳の時に国際投資部(邦銀にそんな部署は他にはありませんでした)というところに丁稚奉公で入って以来、外資系に移ってからも一貫して投資銀行業務らしき仕事をしていました。コンサルティング会社にも15年あまり在籍しました。
2つの業務に共通するのは、基本的にバランスシートを使わないフィービジネスだということですが、
地方銀行など地域金融機関がこれらの業務を行う場合の重要な点は、バランスシートを前提としたものとすべき、これがワタシの考えです。
これらの業務がバランスシートのところでの収益に資する、つまり融資の機会や融資金利の形で着地させるという視点はもちろんなのですが、バランスシートビジネスで熟成されたリレーションシップ/信頼関係がないと、これらの業務(→とくにコンサル業務)は成り立ちません。
地域金融機関のバランスシートは、リレーションシップ、さらにいえばお客さまとの信頼関係の証(あかし)だと思います。
貸手の優越的地位がちらつくプロダクトアウトで、地域金融機関のリレーションシップと信頼関係が脆弱になっているのは由々しき問題ですが、この状況でコンサル、投資銀行業務というのは土台の弱いところに家を建てるようなものです。
お客さまが事業に専念できる環境づくり(真の資金繰り支援)、だからこそ本音ベースでの経営課題の相談を持ちかけていただける、課題を共有しお客さまと一緒に解決策を考えるという流れがなければ、本物のコンサルティングはできません。
あくまでもリレーションシップ/信頼関係、すなわちバランスシートに裏打ちされた顧客発のビジネスなのです。
コメント
そうすると、バランスシートは、その組織が媒介して繋ぎ合わせているリレーションシップ、関係性のポートフォリオ、ということになりますね。
有形固定資産は違うだろ、というツッコミがありそうですが、それは実体として、世界の中に実在している物との関係性として固着しているもの、と捉えることができると思います。