🚩お見事、南日本銀行👏

鹿児島の第二地銀である南日本銀行が金融機能強化法による公的資金150億円を今月末に全額返済すると発表、当初予定より1年半前倒ししての完済です。

本夕の日経電子版「南日本銀行、公的資金を前倒し返済 地道に歩んだ『本道』」では、

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC208SR0Q2A920C2000000/

「コスト削減に加え、地元企業の再生という、一見遠回りな努力を地道に続けてきたことが結果的に早期の経営立て直しにつながった。」と書かれています。

ワタシは金融庁において金融機能強化法の審査の仕事を10年間務めましたが、

公的資本をバッファに地元企業を経営支援、再生支援することこそが、金融機能強化法の究極の目的であり、「一見遠回りの努力」(日経のいう)は至極当たり前のこと。これをおろそかにして返済のための目先の利益を追求しようとしがちな銀行(←結構多い)には厳しく対応しました。

履行計画書に仕組み債の販売を入れてきた銀行には堪忍袋の緒が切れました。いまでも腹立たしい思いです。

このような公的資金の意味を取り違える銀行が苦戦する中で、

公的資金を正しく活用して、完済(それも期限前に)に至った南日本銀行に敬意を表したいと思います

〜丁寧に地元企業の経営を支援し、一緒に地域経済を発展させる「本道」を選んだ。具体的には11年10月から本格的に始めたWIN-WINネットという、データを活用して融資先の販路開拓を支援するサービスだ。(記事より)

〜「行員の姿勢が変わった。融資先を支えるために顧客の経営環境など徹底的に調べ、経営上の課題を改善しようという意識が植え付けられた」(記事より)

〜同行は手数料ビジネスなど稼げる事業に急いで取り組むより「中小規模の事業者向けファイナンス支援をさらに手厚くする」ことで信用コストを引き下げ、長い目でみて利益を確保できる体質作りを進めていく方針だ。(記事より)

南日本銀行、見事です。

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コメント

  1. 寺岡雅顕 より:

    私が注目したのは次の点です。
     ・・・・・・
     当初は売り上げが伸びたら手数料を受け取る仕組みだったが、経営の厳しい融資先の事業再生を助けるという側面を重視して20年度下期から全て無償化した。斎藤真一頭取は「行員のスキルが手数料をもらえるほどの水準に至っていない。ただどこかの段階で必要なことだが、まだその段階でない」と語った。