🚩合併特例の認可基準

「帝国データバンクが1月に公表したメインバンク調査によると、長野県内では八十二銀行のシェアが53%と2位の長野銀行(8%)を大きく上回る。合併すれば長野県内の地銀は1行になり、シェアは6割を超える。同一県内の地銀の経営統合を独占禁止法の適用除外とする特例法の認可取得を目指すとみられる。」(9月28日、日経電子版)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC284R70Y2A920C2000000/

とありますが、

その特例法の認可取得のための3要件のひとつが、「事業の改善に応じた基盤的サービスの維持に関する認可基準」です。

この認可基準についての分かりやすい説明はないかと、週刊金融財政事情・2020年7月27日号にある特例法の解説記事↓を見ると、

https://www.fsa.go.jp/frtc/kikou/2020/20200727.pdf

「事業性評価に基づく融資、経営に関する支援、事業再生支援など中小企業向けのサービスの維持・向上等に資する取り組みを実施することが考えられる。」(太字は多胡)

と例示されています。

この視点からの両銀行のトップの発言は、

会見で実例にあげたのが、地銀各行が強化に動いている取引先の経営支援で活躍する中小企業診断士だ。(松下頭取は)「八十二銀の60人に対して長野銀は20人」とそらんじたうえで、「全体の行員数でみれば(長野銀は)多い」と評価した。県内の信金関係者は起業支援や経営支援に携わる人材について「自社内での育成は容易ではない」と話す。経営支援に力を入れる中で「長野銀行の人材を即戦力として活用したいのではないか」とみる。西沢頭取も人材がフルに活躍できる体制作りにつなげたいと話す。(日経電子版9月30日、長野銀の先行き不安解消 両頭取は「人材補完」強調〜八十二銀・長野銀 統合へ 信州経済に波紋(上))

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64734110Z20C22A9L31000/

ポストコロナに向けての喫緊の課題は、地元事業者が抱える過剰債務の適正化と、変化に対応できる事業変革のサポートです。

両行の80人の中小企業診断士がペーパードライバーとなることなく、現場の核となって獅子奮迅の活躍することを地元事業者は期待していることでしょう。

蛇足ながら、この点、特例法の第一号の青森はどうだったのか、お客さまとしては知りたいところでしょうね。

本ブログに関連して、

こちら↓もご参照を。

28日の日経電子版「八十二銀行と長野銀行が経営統合へ 23年6月めど」のなかに下記の記載があります。 ~同一県内の地銀の経営統合を独...

コメント

  1. 奥山真司 より:

    〜県内の信金関係者は起業支援や経営支援に携わる人材について「自社内での育成は容易ではない」と話す〜

    「容易ではない」…。
    そんなん皆、知ってますよ笑

    諦め嘆くのではなく、
    必死で育成にチャレンジしていかなければならないと思います。

  2. 田舎者の信金マン より:

    地銀のなかには、正義をかざし、「正しい」という刃で一刀両断してしまうペーパードライバーさんが往々に跋扈しています。
    しかし人間はいろんな事を包含している。真の成長は「含んで」超えること。それは借り手、貸し手、両者にあると考えます。
    そんな方々がいらっしゃることを切に望むとともに、両行の『もの言う株主』が地域経済に資する姿勢であることも切に願います。