厳しい経済環境の地域に本店を構える、ある地方銀行。
10年以上前から地元回帰を明言し、地域密着型金融を粛々と進めてきました。
地元のお客さまとの取引で積み上げられた資本を、他の金融機関のそれと安易に統合することなく地元のために活用、規模の利益追求は業務提携の徹底(まだまだ足りませんが)で対応しています。
「箱物ありき」になりがちな持株会社にも飛びつかず、業務多様化よりも銀行本来の業務をきわめることを優先との姿勢に見えます。
旅芸人から見れば、大都市圏ではない地方銀行としてはあるべき姿を貫いている模範銀行なのですが、腹立たしいことに、この経営を“成長戦略がない”と切り捨てる株式市場の評価は低く、株価は低迷したまま。
ところが、
上期の地銀決算をみるとこの銀行の貸出伸び率は地区内地銀の中でトップ。地元向けの事業性融資が貢献しているようです。
さらに、地元株主もこの一年で急増しているとのこと。
10数年の積み重ねがいよいよ成果となって現れてきました。
外野からの厳しい声をものともせず、地域密着型金融を貫く経営陣、現場の行員の皆さんに敬意を表します。