🚩画一的なBS呪縛を解け

月刊誌「致知」、

還暦過ぎてからの旅芸人の愛読書です。

2023年の新春号のテーマは、

「積善の家に余慶あり」

ですが、その中に、

備後福山で400年の業歴を重ねる菓子老舗「虎屋本舗」16代当主、高田信吾さんのインタビュー記事があります。

30数年前、祖父が騙されて多額の借金を抱えたときに、銀行も取引先も手のひら返しになったという話が出てきますが↑、

そのときにある銀行から「貴社は400年の歴史があるが、借金は千年かかっても返してもらえんな」といわれます。(百年やそこらの業歴の銀行に言われるのも片腹痛い?←旅芸人)

これは金融検査マニュアルが導入されるおよそ10年前の出来事ですが、マニュアルとともにこの類のことは常態化したと考えられます。

そもそも、債務過剰や債務超過は、その原因がどこにあるのかで、金融機関や取引先の対応は異なるものだと思います。

しかるに、金融検査マニュアル時代には、原因に関わらず“ひとからげ”で扱われていました。保証債務の履行請求などで多額の損失を出せば、たとえ事業そのものが順調であっても、問答無用です。

旅芸人はポスト検査マニュアルに向けての金融庁での一連の議論(2017〜2019)に通して参加しましたが、画一的なBS呪縛からの解放を常に念頭に置いていました。

たとえば、債務超過であっても事業そのものに見どころがあれば、支障なく再チャレンジできることにこだわりました。

金融検査マニュアルが廃止になって3年あまり、まさか画一的なBS呪縛から解き放たれていない金融機関は存在していないでしょうね。

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コメント

  1. 北門信用金庫企業支援室長 伊藤貢作 より:

    まだ金融機関に関係する前に

    私は「お前らの会社の再生案に同意するかどうかは俺がどう本部に報告するかによる。」と言われたので、なんとかお願い致します。とテーブルに手をついて頭を下げましたが

    「お前はお詫びの仕方も教育受けてないのか?床で土下座しろ!」と怒鳴られて、数人の前で床に手をついて土下座をさせられた事があります。

    しかも私の土下座をみて、みんな笑ってました。まだ15年までは経ってないです。

    そんな人はごく一部だと言うかもしれませんが、その銀行の支店長さんは面白がって他校にも、其事を連絡していたので、他行にいくと

    「○○銀行さんでは土下座して、当行ではしないのですか?」とからかわれ数行(政府系や共同金融も含みます)で床で手をついて土下座をさせられましたよ。

    日程の都合で翌日になっていた北門信用金庫にも、同じような連絡は来ていたはずなので、もう、最初から土下座しようと床に屈もうとした時に

    「やめてください。今日はそんなことをして欲しくて来てもらった訳ではありません!」と唯一、まともに対応してくれました。

    自分達のやっていること、発する言葉が、どれだけ教養や品格に欠けることなのか?「それはごく一部で殆どの銀行員は頑張ってる」みたいな甘い言葉で逃げないで考えて欲しいですね。

    私は生涯あの日のことも、翌日北門信用金庫さんからかけてもらった言葉も忘れません。

  2. 諏訪信用金庫ビジネスサポート部 奥山真司 より:

    「BS呪縛からの解放」が重要な主題であると考えます。
    債務超過は365日の所詮、「とある1日」のBSの状態です。
    当然、そこには事業を継続したときに一番重要となる「将来の期待収益」は織り込まれていません。表層的な過去の状態で判断することなく、将来を重視していくことが必要と考えます。
    過去の状態である債務超過という”スルメ”をいつまでも齧ったりしているのではなく、現在から未来へ悠々と大海原を泳ぐ“イカ”を追いかけたいですね(昨年、海なし県民が海釣りを経験して、そのように考えました笑)

  3. 田舎者の信金マン より:

    私も致知愛読させていただいておりますが、最近は積読となっており、反省します。
    BSの過大負債については、借り手貸し手双方に責任があると考えています。どちら側も真摯に自己を振り返った前提で対話を重ねる努力が必要だと思います。

    企業は地域の経済を支える主役です。金融機関はあくまでも黒子です。
    今の事業領域に磨きをかけて収益性があるならば、経済を支える主役を支えるのが黒子の役割だと思います。