🎯株価3割減と10倍の差

地方銀行の保有する日本株式からの配当収入や含み益の話となると京都銀行が定番ですが、八十二銀行の保有する信越化学の株式についてもしばしば話題になります。

八十二銀行は、信越化学の第5位の株主(2022年9月末、2.9%)です。

その信越化学の金川千尋会長が今月1日に亡くなり、多くの追悼記事が出ています。

19日の日経電子版、梶原誠コメンテーターの「血気に投資家の心意気 信越・金川哲学に経営者は学べ」によれば、

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD1072X0Q3A110C2000000/

〜金川氏が社長に就任したのは日経平均株価が1989年末に3万8915円の史上最高値をつけた翌90年。日経平均は89年末から3割以上低い水準に沈んだままだが、信越化学の株価は10倍に迫る。株式時価総額は昨年末で6兆7000億円弱。89年末に200位以下だった国内の順位は15位に浮上した。

〜投資家心理に刺さったのは横並びを嫌う経営姿勢だ。「容易な事業はみんながやるから競争も激しい。苦労してでも狭い門を行くべきだ」。

〜いわく「競争は敗者がするもの」。独自の市場を創れば高く売れて利益率が高まり、次のイノベーションに資金を投入できる。

〜敗戦の惨めな体験で得た信条は「国に頼ってはいけない」。(中略) 横並びやお上頼みという、経済が右肩上がりの時代にしか通用しない風土を捨て、イノベーションを起こさなければ後がない「日本株式会社」。

(いずれも記事より)

ひとつひとつが胸に突き刺さります。

とくに、「横並びやお上頼りは経済の右肩上がりの時代にしか通用しない」ことは、地域金融機関の経営陣はしっかりと受け止めねばならないと思います。

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