昨年、地方銀行の指名報酬会議の仕事を請け負うことになったときに、サクセッションプランに関わる書物を読み漁りました。
そのうち日立製作所の川村改革 2000日を描いた「異端児たちの決断」(小板橋太郎著、日経BP社) の最終章にあった「社長機関説」という言葉が印象に残っています。
当該部分を引用します。
川村は 「社長機関説 」を唱える 。社長はある種の役割でしかない 。社長とは憧れるものでも 、畏怖するものでも 、嫉妬するものでも 、そのイスを奪い合うものでもないただの 「機関 」だ 。企業が進むべき方向にもっともふさわしいリ ーダ ーが 、透明な意思決定プロセスで選ばれる 。日立が目指すのはそういうシステムであり 、後継に伝えていかなければならない最も重要な事もそれをおいてほかにはない 。
地域金融機関のトップも機関に過ぎないと思うのですが、昨今のいろいろな話を聞くと勘違いが多く残念です。
ちなみに真の意味での指名報酬委員会や指名報酬会議を設置している地域金融機関は僅少であり、同会のトップを社外がやっているケースは一つしかないようです。
コメント
引用部のお話は刺さりますなあ。
もう20年以上前になりますが、アノ会社に勤める知り合い(研究者)が、上司の無能ぶりを盛んに嘆いてました。
その頃、ウチの会社(古巣)とも密なお付き合いがありましたが、ウチの役員が人材不足をコボしたところ、アチラ(リストラ中?)の役員から、課長クラスならいくらでも出します、と言われたと当惑してました。
時が経って、前出の知り合いは、上司が猛然と働いてる、なんて言うもんだからヘェと思いました。
トップ次第なんですかね。
アノ会社はトップが変わって地獄から蘇りました。
古巣さんはうーーーーん。
わたしらの業界でも三途の川の手前から戻ってきたところや天国から地獄に落ちそうなところなど、たくさんの事例がありますが、いずれもトップの問題です。