環境省のESG金融懇談会の第2回の議事録が環境省のHPにアップされました。
http://www.env.go.jp/policy/esg/
kinyukondankai/02/gijiyoshi.html
3月までは直接金融におけるESGがテーマですが、4月からは間接金融です。
間接金融のESGとなるとピンとこない人が多く、間接金融の担い手である地域金融機関からは「経営陣にどういう風に説明してよいか、分からない」との声が上がっているようです。
地域金融機関の視座で「E」すなわち環境という点にフォーカスすると、環境志向の強い大企業の取引先となる地元中小企業の環境対策の支援や、オフセットクレジットに絡むビジネスマッチングなどがあげられます。
このように考えると地域金融機関のESGの領域は狭く見えるのですが、実際は金融庁がリレバン以来、地域金融機関に求めるものとESGの思想とは合致するのです。
残念ながら地域銀行の ESG の取り組みは株価にまったく反映されていません。
昨年10月の金融庁の「金融レポート」において、顧客本位の持続可能なビジネスモデルの優良銀行として3行があげられていますが、これら 3行の昨日の PBR を見ると 0.46, 0.34, 0.28と時価総額が純資産の半分にも届いていません。
また、全国地銀の森林保全運動の実質的な旗振り役であり、オフセットクレジットのビジネスマッチングに熱心な地銀のPBR は0.45です。
その一方で、
コンコルディアFG → 0.68
千葉銀行 → 0.76
ふくおかFG → 0.66
静岡銀行 → 0.67
と、経済基盤が強く、規模の大きな地方銀行は0.6 を超える水準にあります。
株価の形成要因が単純ではないのは理解しているつもりですが、地域銀行の株価にESG の要因は加味されていないと考えるべきでしょう。
たしかにESG インデックスに組入れられている地方銀行の株価はそれなりの価格を推移していると思うのですが、インデックスに組み込まれた理由が、金融庁の金融行政方針に則った取り組みにあるとは思えません。