2003年春のリレバンのワーキンググループの議論に参加して以来、15年の間には地域金融のあり方についてのコミュニケーションが相当数の地域金融機関とありました。
一回限りのスポットのやりとりもあれば、支店長会議で話をしたり、継続的なお付き合いとなっている地域金融機関もあります。
15年間でまったく接点のなかった地域銀行は、ほんの数えるほどしかありません。
まず思い当たるのがスルガ銀行。
スルガ銀行は住専への道まっしぐらであり、リレバンとは対極のビジネスモデルを目指したことはよく分かります。
もう一つは東日本銀行。
ホームページを見てもプロダクトアウト色が強く、きっと、
リレバンにご興味がなかったんでしょうねと、
勝手に決めつけていますが、真実は??
さて、
リレバンをやろうが、トランザクションバンキングで行こうが、金融機関の経営判断ですので、無責任な外野がとやかく言うことではありません。
かつてスルガ銀行に、リレバンの取り組みが弱いと文句をつけて、「経営に対する行政の過度な介入」と逆襲された行政官がいたとの話を聞いたことがあります。真偽のほどは知りませんが。
ただ、トランザクションバンキングを選択するのならば相当の覚悟が必要です。
まずやるべきは徹底的なコスト削減です。
いまの銀行員の給与体系では、間違いなく行き詰まりますし、そもそも今の銀行員の多くは不要になるかもしれません。
人員カットやコスト削減の嵐の中で、従業員のモラルの維持や、コンプライアンスのところも抜本的に見直さねばならないでしょう。
こういう構造的なところに大胆にメスを入れない限り、トランザクションバンキングで生き残ることは不可能です。
現状維持のまま、強引にボリューム目標で現場を追い詰めれば、不正につながる確率が格段と高くなるのは、自明の理ということです。
ワタシが地域金融機関の経営者ならば、労多く成果につながらないトランザクションバンキングを選ぶことはありません。