先週 14日の静岡新聞の第一面トップの記事は、来年1月21日に発足する浜松いわた信用金庫が SDGs を経営の根幹に据えるという話です。
そもそも SDGs は信用金庫の経営理念そのものです。
そして、SDGs はリレバンの起点とも言える思想でもあります。
規模が大きくなると地域銀行となんら違いがなくなる信用金庫が多い中で、改めて原点に戻ることを宣言するのは、非常に意味があると思います。
昨年9月、静岡県では3組の信用金庫の合併が発表されました。
当初の予定では、本年7月にしずおか信用金庫と焼津信用金庫が新金庫を発足させる予定 (そんなに早くできるのかとビックリ) でしたが、何故か1年延期となり、浜松信用金庫と磐田信用金庫の合併が先行することになったのです。
救済合併でもない限り、信用金庫の合併の意義は、会員である地域顧客にとって、より良い金融サービスが提供できるかどうかがポイントです。
しずおか – 焼津、島田 – 掛川、それぞれの新金庫の経営理念やビジネスモデルは今のところ見えてきませんが、それぞれの地域顧客のニーズに合致したものとなるものと期待しています。
コメント
「信用金庫の地銀化⇒プロダクトアウト型営業の強化⇒効率化の追求⇒地域エコシステム(地域に幅広く金融が行き届く)の崩壊⇒金融排除」とならないよう、合併の大儀、経営方針(地域との向き合い方等)を明確に示すべきでしょうね。
一方、「合併統合は時代の流れ」という声も聞こえますが、シェアードサービスが充実した共同組織(株式会社でない)金融機関に、規模の利益が必要なのか、という議論を改めて考えてみる必要があります。
規模の利益のみ期待した大儀なき合併は、結局は地域の企業に金融排除を生み、地域経済の疲弊に拍車をかけることにつながりかねません。
合併を目指す各信用金庫の経営陣は「総代会」と充分な議論を重ねたのでしょうか。未だに世間が納得する経営方針を示さない(示せない)金庫の経営陣は、合併によって最も影響を受けるのはお取引先企業であることを、もう一度考えてみる必要がありそうです。
補足します。
「合併統合は時代の流れ」という声
⇒「合併統合は時代の流れ」という諦めの声
寺岡さま、
おっしゃる通りです。信用金庫の場合、シェアードサービスの完成度が高いので、合併効果は店舗の統廃合ぐらいしかありません。合併による異文化衝突によるモラルダウンや機会コストを考えたら、デメリットの方が多いと思います。
救済でもない限り信用金庫の合併は意味がありません。浜松と磐田の場合は唯一の例外で、ワークライフバランスとBPRの土台を作り、真の組織的継続的リレバンを展開したらヒトが足りなくなったので合併というものです。
浜松-磐田を除く、静岡県内の2つの合併は救済ではないので、意味不明と言わざるを得ません。これらの金庫は地域のお客様に対し、しっかりと合併の意味を伝えなければならないのですが、果たしてやっているのでしょうか。
なぜ大義なき合併を推し進めるのか、残り2つの信金は、なぜ規模を追って合併をするのか疑問である。規模を追えば、地域の中小企業は取り残され、結果として日本型金融排除層は拡大することは容易に予想されるばかりか、地域経済そのものがおかしくなってしまうことが、経営陣はわからないのだろうか。自分たちの存在意義を今一度考えるべきだ。
信用金庫のような協同組織金融とは、地域の良心ではなかったのか。