昨日、名古屋において、遠藤長官による中京地区の地域銀行、信用金庫、信用組合のトップ向けの業務説明会が行われました。
金融庁幹部による業務説明会が全国各地で行われていますが、先月12日 (大阪) に続く長官の登壇ということで、その発言内容への注目度は高いものがありました。
〜 遠藤長官は6日、名古屋市で開いた業務説明会で「監督局が1つの指揮命令系統の中で(検査を)展開していく形にした」と明らかにした。金融庁は早期警戒制度の運用を強化する方針だ。従来、自己資本比率の最低基準(国内基準行は4%)を割った場合に早期是正措置に基づき行政処分を出していた。その前に経営改革を迫るもので、監督と検査の統合で体制を強化した。遠藤長官は「持続可能なビジネスモデルを構築し、将来にわたる健全性を確保することが必要だ」と指摘し、財務の健全性と金融仲介機能の両面で「バランスが取れた経営になっているか確認していく」と訴えた。
(日本経済新聞12月7日)
説明会に出席した Pさんの話を聞き、ワタシも“早期警戒制度の運用強化”というところが、キモの部分であると感じました。
11月28日のブログで、地域銀行が3つのパターンに分類されたことを書きましたが、
その中の一つである
「コア業務純益 (投信解約益を除く) が大幅に低下し、収益が継続的に低迷している地域金融機関」
に対し、
「将来の健全性のための早め早めの経営改善を求める。ミエによる経営状況に見合わない配当や有価証券含み損の先送りを問題視し、社外を含めた経営陣との対話によって注意を喚起する」
ことこそが、“早期警戒制度の運用強化” であると思います。
Pさんによれば、身に覚えがあると思われる出席者たちに震撼が走ったとのこと。
こういう地域金融機関経営者たちは、本事務年度の金融行政方針 (「変革期における金融サービスの向上にむけて~金融行政のこれまでの実践と今後の方針」) を果たして、読んでいるのでしょうか。
「地域金融機関が将来にわたる健全性を確保し、地域における金融仲介機能を継続的に発揮するためには、経営陣による的確な現状分析に基づく実現可能性のある経営戦略・計画の策定・実行 (PDCA の実践を含む)、加えて、取締役会をはじめとするガバナンスが有効に機能することで、こうしたプロセスの方向付けが着実に実施されることが極めて重要である。」(84ページ)
金融庁の認可を受け、金融庁からここまで繰り返し言われながら、弥縫策を講じて逃げ回るような経営陣 (結構、いますよね) には、早期退陣いただくことが、組織のため、従業員のため、地域のためです。
早期警戒制度を、(ダメ経営者たちの) 早期退陣制度に。