役員は部長の成れの果てにあらず

昨日、地域銀行の経営陣との接点が深い、ある有識者の方の話を聞きました。

「地域銀行には経営者がいないのではないか、部長課長しかいないのではないか」との問題提起です。

ワタシは即座に首を縦に振りました。

部長課長がさばく程度の執行話はこなすのですが、経営の話になるととたんに雲行きが怪しくなるのです、苦笑

経営戦略といいながら、個別業務の戦術を論じることで、任務を全うしていると思っているフシがあります。

それが経験の少ない取締役だけでなく、経営トップまでもが、このレベルというケースも少なからずあるようです。

かつて、某銀行の社外取締役を務めていたときに、株主総会直後の取締役会において、トップが常に取締役会メンバーに向けて行った訓示を思い出します。

「取締役は部長の延長線上にあらず。頭取であっても新任取締役であっても1人1票である。経営の一員として意見を述べるように。」

このトップはいまもワタシの師匠です。


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コメント

  1. ミザール より:

    与えられた問題(正解がある)を解く受験・試験制度染まった一般的優秀な人材で、地頭がいいという人が少ないんでしょうね。

  2. 新田信行 より:

    経営者としての資質のある人はいると思いますが、指示命令型組織においては、自分の意見を言う部下は上司から嫌がられます。その為、昇格しづらく、会社を辞める人もいるでしょう。成人発達理論でいう、経営者にふさわしい心の成長をした人が経営者になって欲しいのですが、組織文化から変えなければならないのかもしれません。

  3. しがない(志はある)サラリーマン より:

    組織文化から変えなければならない、とのご意見私も同感です。

    個人的には、

    ・レイヤーの壁(経営者/現場の風通しの悪さ)

    ・組織の壁(縦割り組織)

    がある限り、経営者も的確な判断ができないのではと懸念しています。

    組織の問題だけではなく、経営者が信頼できる事実をどう収集して判断するか、も重要ではないかと日々課題認識して仕事しています。