与信費用増の舞台裏

このところ、地域金融機関は、資金収支の悪化に加えて与信費用が嵩み、3月末の決算は相当厳しいものと予想されます。

第3四半期の決算で引当金が急増した地域銀行は少なくありません。

その裏にあるものは❓

最近、ワタシの耳によく入ってくる、粉飾らしき取引に金融機関が巻き込まれたケースですが、 煮え湯を飲まされた金融機関に本音のところを聞いてみると、

「決算書類などを見るだけでは、相当の熟練者であっても発見できない巧妙さ。」

「融資が喉から手が出るほど欲しい、銀行員の性 (サガ) を知り尽くした駆け引きに銀行員が翻弄されている。」

そして、

「書類の形式が整っていて、沢山の金融機関が貸し手に名を連ねているから」

という声も聞こえてきます。

皆んなで渡れば怖くない病は蔓延していますね。

しかしながら、一呼吸置いて考えれば、「そもそも、そういう業種で果たしてそれだけの資金が必要なのか?」

焦りと数字への誘惑は、常識/良識の目を曇らせます。

地域金融機関の皆さん、冷静に、冷静に。


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コメント

  1. 寺岡雅顕 より:

    「僅かばかりの知識」と、「原理と原則」「仮説と検証」を繰り返し、「常識と良識」をもって判断、もう一つ付け加えて、「業推無罪の誘惑に抵抗する強い信念」があれば、避けられた融資事故は山ほどあります。

  2. 新田信行 より:

    皆さんのおっしゃることは良く分かります。

    その一方で、私は最近の景気が変調をきたしているような、嫌な感覚があります。これからマクロ的には、与信関係費用は増えてくるように思います。

    地域金融の経営者の皆さん、要注意です。

  3. 増田寿幸 より:

    新田さんの見立てに賛成します

  4. 寺岡雅顕 より:

    同意いたします。

     な~んちゃってリレバン、な~んちゃって事業性評価を繰り返し、目先をかわしてきた金融機関は、一層厳しい状況が生まれるでしょう。