若手行員が生き生きと活動する組織、その3

昨日のブログで紹介した某地域銀行の頭取さんからいただいたメールにあったお客様からの感謝の声です。

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本音を話すと、金融機関は必要な資金をいかに低金利で借りることができるかという『交渉相手』であり、まさかこんなに親身になって身内のように『相談相手』となってくれるとは思っていませんでした。ー中略ー  仕入先を紹介いただき商談にも同席いただいた時は、心強く感謝感動し涙が出てきました。実は、同じように地元の銀行や信用金庫にも開業資金の相談をしていたのですが、◯◯銀行さんに対して失礼なことをしていたと、今では恥ずかしく思っています。 

担当者には申し訳ないが、最初は大学を卒業したばかりの行員が担当で不安に思うこともありましたが、支店の方々はもちろん本部の方のフォローもあり、まさか銀行員から目からウロコの発想とそれを進める上での企業紹介をしてもらえるとは考えてもいませんでした。なにより、若い担当行員は融資の実績が多いほうが成績になるだろうに、自らの実績よりも当社のことを考えてくれて、本当に頭が下がる思いです。これからも彼に何でも相談してみようと思いました。

(文章の一部は書き換えています)

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本業支援によって顧客との信頼関係が構築されたことが分かります。リレーションシップ・インパクトですね。

こういう関係ができれば、金融取引は自ずとついてくるでしょうし、不毛の金利競争に巻き込まれることもなくなるでしょう。

「こういう事例ならうちの銀行でもあるよ」

こうおっしゃる地域銀行のトップは多いと思いますが、プロダクトアウトの中に埋没している属人的なものに過ぎません。

この銀行が素晴らしいのは、この活動が組織的継続的な軌道に乗っていることです。

他の銀行であれば個人ローンや預かり資産業務をやらされているような若手行員でも女子行員でも、ここでは立派なメインプレイヤーです。

過去の負の遺産もあり、財務内容的には厳しさが続いているものの、ヒューマンアセットの価値がどんどん上がっている楽しみな銀行です。

ワタシはこういう地域金融機関を応援します。


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コメント

  1. 新田信行 より:

    お客さまの経験価値は従業員の経験価値と双方向の関係にあります。従業員の経験価値が、従業員みんなで共感出来た時、それが何ものにも代えがたい組織文化になります。お客さまや従業員のエンゲージメントはこうして創られるのでしょう。当組もまだまだ途上ですが、頑張ります。

  2. 橋本卓典 より:

    こういう金融機関が実際に現れていることを真剣に考えなくてはなりません。残る金融とは一体、どういうものなのか。

    朝、どういう反応がお客様や現場から上がってくるのか、「会社に行くのが楽しみで仕方がない」という実際にある話を「金融排除」で書きました。

    このような手紙をお客様からもらうこと自体が尋常ではありません。共感関係が存在することを物語ります。

  3. 東北の銀行員 より:

    どの金融機関にも「毎朝出勤するのが楽しみ」な人間は一定数いると思います(私もその1人です)。

    しかし多くの場合それは組織的な取組みの結果ではなく、未だ「個」の活動に基づく属人的なものに過ぎません。

    組織の中では「顧客の手伝いばかりで収益に貢献しない変わり者」とされる方も多いのではないでしょうか。

    遠くない将来、組織が変わり「変わり者」扱いされている方々が「普通の銀行員」になる時がくるよう、願って止みません。

  4. 新田信行に より:

    職員によって対応が変わる組織では、お客さまとの長期的な信頼関係は築けません。だから組織の目的と価値を共感する文化が必要になります。経営者は、全職員の心と行動を導く組織文化を築く、不断の努力に取り組まなければなりません。