経営人材のリストアップとプーリング

この20数年、多くの地域金融機関の経営陣に対し、情報提供したり、意見を述べたり、提言していますが、既成概念から外れたものも多いので、閉鎖的な村社会にとっては突拍子もない異論ととらえられる場合も少なくありません。

ワタシは彼らから見れば異邦人なので、せいぜい出入り禁止になって、当該金融機関とのご縁がなくなるぐらいですが、そこで働く内部の人間が同じことをやるとそうはいきません。異論や少数意見は封じ込まれており、掟を破る人間は処遇面での不利益をこうむります。だから黙っている。

71日の日経新聞の論説、「『心の資本』を増強せよ」では、

《組織の活力を高め、イノベーションをどう起こすかが、世界中の企業の関心事だが、米グーグルが大がかりな社内調査を経てたどり着いたキーワードは「心理的安全性」である》

と書かれています。

地域金融機関においても同様です。組織に心理的安全性があれば、さまざまな意見が出るようになり、少数意見に耳を傾ける人が増え、組織の活力は格段と上がるでしょう。村社会となり、企業風土は間違いなく変わります。

そのためには、荒療治ですが、経営トップを外部人材に取り替え、ダイバーシティの効いた社外役員陣を構築するのが一番だとワタシは考えるのですが、難易度はとてつもなく高いでしょうね。

しかしながら、レイジーバンクの現経営陣やそこにしっぽを振る人たちでは企業風土を変えることは至難の技です。

外部人材の力が不可欠なのですが、地域金融機関の経営ができる外部人材が少ないのが辛いところです。

対策として、

かつて金融機関 (地域金融機関が望ましい) において、本部の部長/ 役員クラスの経験があり ( 地域金融機関の経営についてある程度土地勘がある) 、プロダクトアウトで顧客本位が欠落した経営に反旗を翻して、不本意ながら外部に出ざるを得なかった人材をプールする必要があります。

こういう人材は市井 (しせい) にたくさんいると思います。

金融庁はリストアップすればいいのに。

 

 

 

 

 


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コメント

  1. より:

    これこそがホンモノの人材バンクかと!

  2. 高見守久 より:

    私も同感です。特に中小金融機関ですと、自身の将来に対する生活設計に関わります。さらに、家族がいると更に沈黙し、時を過ぎていくこことを待つしかありません。議論できない組織、異論も受け入れない金融機関はもろく、いつかは滅ぶしかありません。役員会や本部会議でもセレモニー形式で終わるのではなく、生つばを飛ばし合いながら、激論を交わし結論に導き、即実行し改善しながら前へ進んでいかないといけません。金融仲介機能の発揮ができていない金融機関は覇気も迫力もありません。