監査部門の仕事

十数年前に地方銀行の社外監査役に就任しましたが、その頃と比較すると監査役はもとより監査部の仕事は様変わりしています。

十数年前の地域銀行の監査部は検査部の残像を抱えており、上がりのポジションであったことは否定できません。

昨今、監査は単なる検査から脱皮し、切り口も多種多様となり、監査部門をキャリアパスに組み込んでいる地域金融機関も増えています。

ところで、

今事務年度の金融行政方針において、金融庁は「経営理念」に立ち戻ることを強調しています。

これを踏まえ、地域金融機関の監査は、「経営理念→ 経営戦略→ 具体的施策→ 現場を動かす業績評価/人事制度」に“一貫性”があるか、現場がこの流れを正しく理解して行動しているか、という視点を持ったものにすべきですね。


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コメント

  1. 片山祐姫 より:

    「経営理念→ 経営戦略→ 具体的施策→ 現場を動かす業績評価/人事制度」も必要だし、「経営理念→ 人材育成/人事制度」も必要ですね。

  2. 高見守久 より:

    金融庁は「利用者を中心とした新時代の金融サービス~(令和元事務年度)~」において、内部監査部門を、第一段階(Ver.1.0):事務不備監査、第二段階(Ver.2.0):リスクベース監査および第三段階(Ver.3.0):経営監査の順に各金融機関を評価するようです。最終的には、「第四段階(Ver.4.0):信頼されるアドバイザー/内部監査の更なる高度化に向けて」へ内部監査の水準を引き上げようとしています。しかしながら、私も内部監査部門を経験していますが、金融検査マニュアルが発出されてから間もなく、内部監査機能を向上するような気運もありました。したがって、いまでは中小規模の金融機関であってもリスクベース監査から経営監査に向けて取り組む態勢となっていても不思議ではありません。その間、経営陣や上級管理職は職務怠慢であったとしか言わざるを得ません。自己責任を謳うのであれば、内部監査の高度化は必須です。金融検査マニュアルは廃止されても、内部監査の水準を向上していない金融機関に対して、金融庁は厳しく臨むべきです。