福井県の2つの地域銀行である福井銀行と福邦銀行の業務提携が発表されました。
そもそも同一地域のライバル銀行であっても、「競争すべきところ」と「協調してコスト削減等の効率化に努めるところ」があります。
後者はライバル同士で連携して迅速かつ徹底的に実行すべきものと考えますが、全国を見渡してもまだまだ中途半端であることは否めません。
今回、福井県内の2つの地域銀行が、バックヤードの共同化などの本格的な連携に踏み切ったことは意義があり、両行の経営判断は大いに評価できるものです。
資本統合 (すなわち経営統合や合併) となると、シナジー効果が出る以前に顕在化する弊害 (資本統合のためのコスト増、異文化の衝突などがもたらす機会ロス、ヒューマンアセットの毀損など) を見逃すわけにはいきません。
ワタシは資本を一緒にするのは、最後のステージだと思っています。
両行の連携が進む過程で、行員同士の交流が進み、顧客の求めるものが金融商品の価格競争から高度な課題解決機能へと変わってくれば、一行では対応できない総力戦 (競合は北國銀行、北陸銀行か?) となるでしょう。そうなれば、初めて資本統合 (統合合併) が視野に入ってくるのではないでしょうか。
日経新聞電子版 (本日 15:21) の報道では「資本提携視野に連携協議」という表題になっていますが、これは筆が走りすぎ。資本提携が好きな日経さんらしいです。(→ その後の追加報道では表題は変わっていましたが、笑)
同記事の文中にある ~経営統合については「将来の可能性はわからない。今の時点ではまだ白紙」(林頭取)~ というのが真実だと思います。
繰り返しますが、ものごとには順番があります。連携、資本提携の順です。
最後に来るべき資本統合だけを行ない、動きが取れなくなっている地域銀行を見ていると、何をやっているのかと唖然とします。そんな無駄なことをやっている場合じゃないのに。