機関投資家の行動指針(スチュワードシップ・コード)を改定する有識者会議 (主催は金融庁) が、10月2日から始まりました。
形骸化しているところが見え隠れするスチュワードシップ・コードにおいても「形式から実質」への転換を図り、投資家と企業との“対話”を深化させて企業価値の向上を目指すことが求められます。
新聞報道によれば、
「今回の主要論点の1つは機関投資家が株主総会で議決権を行使する際の情報公開の充実だ。議決権を行使する場合は結果だけではなく、判断理由や企業との対話の過程も公表するように促す。」(本日の日本経済新聞)
金融庁の集計では議決権行使の結果を開示するのは119機関、そのうち賛否の“理由”を開示するのは40とのことですが、その”理由“が形式的なものである限り、納得感がありません。
形式を実質にするには、エンゲージメントが不可欠です。
ところが、
機関投資家サイドの事情を垣間見るに話は簡単ではありません。
ある有識者が吐露したところによれば、「手数料率の低いパッシブ運用が主流で、銘柄数は多く、とてもすべての投資企業とのエンゲージメントなどできない。」
実際、機関投資家からは、大手地銀数行としか対話はできないとの本音が聞こえてきます。
今後の有識者会議の展開に注目したいと思います。
コメント
日銀にも投資家としての責任が問われます。