地方銀行のSDGs は「金融排除するな」

10月3日のブログ「スチュワードシップ・コードも形式から実質へ」で書いた機関投資家の行動指針(スチュワードシップ・コード) の改定案が、本日の有識者会議で示されるようです。

本日の日経新聞が報じています。「投資家指針にESGを明記 金融庁 来春改定で普及後押し 」

記事の内容から察するに、ESG投資を重視する内容を初めて明記するとのことですが、そのこと自体は評価するものの、形式的になるのではとの懸念を払拭することはできません。

たとえば地方銀行の場合、女性の登用比率や環境私募債の取り扱い件数などでESGさらにはそれを包含するSDGS の取り組みを計測するような展開が予想されます。

何度かこのブログでも発信していますが、地銀などの地域金融機関のSDGs 基本中の基本は、17の目標の中の (8.10) 「国内の金融機関の能力を強化し、すべての人々の銀行取引、保険、および金融サービスへのアクセス拡大を促進する。」だと考えます。

「金融排除をするな」です。

金融包摂で努力している地銀が、金融排除しながら、環境私募債の件数や女性の登用比率でESG/SDGsをアピールする地銀の後塵を排することは十分予想されます。

この違いをいかに見極めるかが機関投資家サイドの力量と思うのですが、10月3日のブログで述べた通り、彼らにそのためのエンゲージメントを求めることは現状無理と言わざるを得ません。

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コメント

  1. 長川康一 より:

    日本で預貯金のない世帯が現状30%、バブル前は3%程度であったと思います。
    そして毎年毎年預貯金のない世帯が増加傾向にあります。
    日本の生活者の貧困化が進んでいる証でもあります。
    日本でのSDGsは、ここが大きな対象になるのではないでしょうか。
    そして中小企業の付加価値を大きく上げることも課題になるように思います。