私たちは大恐慌以来の危機的局面を迎えています。
昭和の初め(大恐慌時代)、日本でも多くの銀行が経営破綻に陥り、銀行の淘汰と再編が起ったことが頭をよぎります。
先週、あるメディアの方から「コロナ恐慌で金融機関の統合合併が加速するか?」との質問がありました。
トランザクションバンキングの世界では、再編どころか、既存金融機関の淘汰、異業種による吸収が現実のものとなると思います。
このことはコロナ危機以前に予測されたことですが、それが前倒しになるだけです。合掌。
さて、
このブログで一貫して主張している通り、地域金融機関の生き残り策はリレーションシップバンキングしかありません。
リレバンは、金融仲介も含めた顧客の企業価値向上を目的とした地域の課題解決業務です。銀行法第一条に書かれた「国民経済の健全な発展に資する」ための業務です。
実際にコロナ危機の序盤戦を見ている限り、真のリレバンを愚直に行なっていた金融機関は微動だにしていません。リレバンの一丁目一番地である信頼関係をベースにした「相談相手」の立ち位置が確立されており、「交渉相手」ではないからです。
なんちゃってリレバンでお茶を濁していたエセ顧客本位の金融機関(交渉相手としか見られていない) が右往左往しているのとは対照的です。
果たして、リレバン金融機関は淘汰、再編、異業種による吸収の対象になるでしょうか?
全否定はしませんが、その可能性は低いと思います。
リレバン経営は「ダウンサイジングとアライアンス」です。
アライアンス、シェアードサービスのところで異業種を巻き込んだ大きなうねりが出ることは間違いありませんし、コロナ恐慌で拍車がかかるものと予測します。
しかしながら顧客接点は変わりません。顧客接点を強化するにはダウンサイジングが基本です。
そして「ダウンサイジングとアライアンス」経営の舵取りができる経営者がいることが前提であることはいうまでもありません。
コロナ恐慌の中、神輿に乗っかっているだけの平時のトップは存在自体が害としか言いようがありません。
★尚、本稿は地域の魅力研究所のニュースレターにも掲載しています。
コメント
危機的局面打開には、地域エコシステムの実現」が一つの解決策であり、(これまでの地域金融の流れに逆行するかもしれませんが)再び金融機関の棲み分けが必要になると考えています。
地域一番手銀行には「関わり合い、つなぎあい、一つになって地域を創り上げる」という気持ちを忘れずに、協働をリードしていただきたいと願ってます。
寺岡さま、
コメントありがとうございます。
土曜日のブログ、八十二銀行の頭取インタビュー記事の話で、地域金融エコシステムについて書きました。
八十二のような地域トップバンクは政策金融公庫(国民生活勘定)の層である小規模零細や事業主の資金繰り支援をすること以上に、地域の核になる中堅中小企業へのコミットメント(コロナ危機の中、赤字決算覚悟、資本の毀損も覚悟)をしっかりお願いしたいところです。
地域トップバンクの立ち位置は難しいですね。
寺岡さんおっしゃるように地域トップバンクには地域金融のリーダーとして、地域金融エコサイクルをしっかりと牽引していただきたいものです。
多胡