🚩メインバンク勢力図が激変する

周知の通り、中小企業のメインバンクの多くは、業況が苦しかった時に当該企業を資金面で支えたことで、その地位を築いています。

「苦しい時に支えてくれる」、これこそが顧客から見れば金融機関への信頼感につながり、この関係こそがリレーションシップバンキングの土台(リレショーンシップ・キャピタル)となっているのです。

このブログで何度も書いていますが、コロナ禍で地域金融機関の二極化が顕在化しています。

平時にリレバンを粛々と進めていた地域金融機関は微動だにしませんが、そうではない地域金融機関は薄っぺらな顧客本位の衣が吹っ飛び、化けの皮が剥げています。後者ではリレーションキャピタルが無残にも壊滅しているのです。

残念極まりないのですが、前者は圧倒的に少数派。

公的金融はパンク状態、公的金融とのイコールフッティングとなる民間金融機関の窓口での融資(無担保無金利)の実施には、今なお1ヶ月程度の時間が。

多くの地域では資金繰りに窮した数多の中小小規模金融機関が、取引金融機関の鈍い対応と政府系金融機関のパンクで難民状態となり、最後の砦である金融機関(リレバンを粛々と実践している)のドアを叩いているようです。

とはいえリレバン金融機関であっても、実態のわからない新規先の場合だと、難民状態の事業者を速やかに受け入れることは容易ではありません。

しかしながら、地域コミュニティを維持する上で必要不可欠な事業者(つまり、地域にとってなくてはならない事業者)であれば、未取引先であっても前向きに対処するものと推察します。

難民状態を救ってくれたリレバン金融機関のことを事業者は決して忘れることはありませんし、長い間メインバンクの地位を占めていても今回門前払いしたところには恨みしか残らないでしょう。

こういう流れが、各地域で数十年以上をかけて築き上げられた岩盤の如きメインバンク勢力図をがらりと塗り替えていくのではないか、との強い手応えを感じています。

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