5日のブログでも書きましたが、地域金融機関の現場の中には、コロナウイルスで苦境に陥った地元顧客に対し、関ヶ原の戦いの西軍の如く、日和見、裏切り、逃亡の行動をとるところが、この期に及んでも存在するようです。
関ヶ原西軍の実態は、5月1日の日経記事「中小の融資条件、金融機関が9割超で変更 金融庁調べ 」の内容と大きなギャップを感じます。
~金融庁によると、3月10日から同月末までに、返済期限の猶予といった融資条件変更の申し込みがあったのは2万6592件。うち3月末までに9996件の審査が終了し、99.7%にあたる9963件で条件を変更した。残る33件は対応を断った。(中略) 3月中に申し込みのあった件数のうち、同月末時点で審査が終了せず「審査中」とした1万6367件については、4月中旬までに7割で条件の変更に応じた。金融庁は「全体として金融機関はしっかり対応している」と評価している。金融機関が断ったのは返済能力があると判断したケースだったという。(同記事)
実際、中小小規模事業者の生の声を聞いている知人たちからは、難癖をつけて条件変更を渋る地域金融機関の話が数多聞こえてきます。
毎夕発表されるコロナウイルス感染者数に一喜一憂する毎日、東京の場合には検査数が発表されず疑心暗鬼を生んでいますが、条件変更の申込数(「優越的地位の濫用で申し込ませないというのはないでしょうね」)の信憑性を疑われないよう、金融行政サイドにはしっかりと監督していただきたいものです。
さらに一言。地域金融機関の社外役員には、この点をしっかりと監視していただきたい。これこそ、いま一番大事なガバナンスではないでしょうか。
コメント
計測の仕方が相変わらず、に感じます。
金融庁が計測することは先刻ご承知なので、打率(応諾率)を上げるべく金融機関、財務局は邁進します。二重盲検(計測されていると感じさせない)が担保されない計測は、どこまでも忖度が入り込みやすい。ましてや心理的安全がそもそもなかった世界ですから。その筋の方によれば、事業者先数ではなく、債権先数に変容しているのでは?とのご指摘も。いつから債務者格付から債権ベースになったのか。あ、検査マニュアル廃止でしたね。話がごちゃごちゃになりましたが、いずれにせよ、現場に関わる方の声を段階に拝聴するのが、一番です。金融庁に圧倒的に足りないのは、そうした知見です。金融庁向けに加工された情報にしかアクセスできていない可能性大。