「日本でいちばん大切にしたい会社(7)」で島根県出雲市の「出雲土建」が取り上げられています。
住居の湿度を調整するための炭(調湿木炭)の開発・販売で、存在感を増している企業です。「炭八」というブランド、最近はテレビショッピングなどでも見ることがあります。
ダニやシロアリを撃退、アトピーやぜんそくにも効果があるといわれる炭商品の開発をバックアップした某銀行支店長の言葉がズシリときました。
~通常なら追加融資どころか、貸しはがししてもおかしくないような状況の中で、本部に出かけて「この中小企業を応援しなければ、私たちの存在意義がないのではないか」とまで言ってくれたのです。(本文より)
苦境に陥った中小企業が蘇る局面には、体を張って頑強な内部組織と戦う金融マンがいます。真のリレバン人間です。
金融機関の組織としては支援に尻込みする中小企業の事業を、現場の人間が“個として”支えることで、日の目を見るという話はどこの金融機関にもあるものです。
問題はこういうリレバン人間のその後のキャリアパスです。
かつては地域金融機関のトップや役員たちと親しくなると、必ずといって良いほどこういう経験談を聞くことができました。
ところが最近はそういう体験を持つ経営層が少なくなっているように感じます。金融検査マニュアルによる画一化と、その仕組みの中で偉くなった人間が経営陣を形成してきたことが理由だと思います。
検査マニュアルの廃止、コロナ禍により、リレバン人間がますます求められています。
リレバン人間のキャリアパスがその金融機関の盛衰を決定づけることになるでしょう。