昨日のZoomでの意見交換会。
地域金融機関の実態を熟知し、行政の専門家会議の委員を務め、中小小規模事業者の支援を日々行なっている有識者の話の中に
「リレバンの基本は優越的地位のあるもの(つまり金融機関)が『謙虚さ』を持つことだ」
との本質を突いたコメントがありました。
コロナ禍の中でも、「上から目線角度」が極端に大きいレイジーバンクたちはお客様からの借入債務の条件変更の申し出を門前払いし、ノーリスクの無利子無担保融資となると借り手のニーズにお構いなしに満額を流し込むノルマを張っています。
こういうレイジーバンクには謙虚さのかけらもありません。
さて、
この「謙虚さ」ですが、地域での融資シェアの高いトップバンクには非常にハードルが高いものです。それだけ貸し手としての優越的地位が高いということですね。
ワタシは二番手以下の銀行の強み?は、「謙虚さ」であり、これが「親しみやすい、敷居が低い」といったお客様の言葉にもあらわれています。
強みである謙虚さが生きるのは、リレーションシップバンキングです。ところが、二番手以下の金融機関で、組織的継続的にリレーションシップバンキングを本気でやっているところは僅かです。
所詮はトップバンクのコピーです。コピーだったら規模が小さい方は絶対に勝てません。
自らの強みである「謙虚さ」を生かすことができず、物真似しかできない二番手以下の金融機関、早急に経営陣の刷新を行わなければなりません。
コメント
リレーションシップは、対等な関係から生まれます。対等な関係でないと、対話が成り立たないからです。そのためには、まず上意下達の社内文化から改めなくてはなりません。一人ひとりの行員の仕事の取り組み方を変える必要があるかも知れません。言うは易く、行うのは簡単ではありません。
私はたくさんの方々とお会いして、人間関係を常に上下関係で見る方と、対等な関係で接しようとする方がいらっしゃるように感じます。人生の生き方の違いだとすると、なおのこと難しい問題ですね。
ご両所の論考を拝読して、「菜の花の沖」(司馬遼太郎)に登場する
北風家のことを思い出しました。
この廻船問屋は、私利私欲に走ることなく、
当時大阪とは比較にならない程に小さかった兵庫という港を発展させるため、
地域に尽くしたそうです。
例えば、船乗りが兵庫に寄りやすくするために、飯や風呂をタダで提供した、
船乗りが情報交換するためのサロンを開いた、など。
雨の日に無料で傘を貸していた、という少しドキッとするエピソードも。
「兵庫の北風か、北風の兵庫か」と言われるまで世間の評判は高まりましたが、
傲岸さはまったく無かったそうです。
公益に資する事業を行うと、ついつい人は傲慢になりやすくなるのではないか、と
感じます。
「誇り」を持つことは自己肯定感を高めるためにも大切ですが、
勘違いした「驕り」は害悪でしかないですね。
竹内さんが支援しておられる某二番手は、今のトップに代わってから、組織的継続的リレバンに舵を切り、「謙虚さ」を十分生かしているように感じています。
応援しています。
菜の花の沖、
また読みたくなりました。
多胡さま
トップのお人柄を見ると、その金融機関が傲岸なのか謙虚なのか、すぐに分かる気がいたします。
菜の花の沖、実は再読し始めました(笑)まだ嘉兵衛が淡路島でイジメられてます(笑)
謙虚さの中に真の自信が宿るのでしょう。過信や尊大、傲慢は実は小心の裏返しのようにも思えます。金融という仕事は本物の人間の品格を鍛えてくれます。私もまだまだ学ばなければなりません。人は死ぬまで成長出来るそうです。目利きも奥が深いです。人生はますます面白いです。