「地域金融論」
大それた表題の本を出したものです。
2007年の出版です。
当時、地域金融や中小企業金融の世界でも数字分析によって論陣を張る動きがあり、それに対する牽制の意味で書いたことを覚えています。
金利や店舗数などの数字を分析して論じることを否定するつもりはないのですが、数字の裏にあるものをえぐり出さない限り本質は絶対にわかりません。
そのためにはフィールドワークが不可欠です。
本日、地域金融の現場でコロナウイルスと戦っている友人から、近況報告をいただいたのですが、その中に拙著のことが書かれていました。
浅学の分際で書いた本は、いま読み返すと冷や汗ものなのですが、機会があれば根本から手直しして世に問うこともありかなと考えています。
コメント
私は中小企業金融はプロでありたいと思い、博士課程でも勉強しました。その時、悩んだのが、中小企業金融は、大量のデータを分析して普遍的法則を見つける社会科学か、個々のケースで最適解を見つける実学かです。多胡先生のこの記載内容で、頭の整理が着いたことを思い出しました。今もこの記載内容を意識して、中小企業金融に取り組んでいます。
安西さま、
過分なお言葉、恐縮します。
多胡秀人