7日の日経朝刊、氷見野金融庁長官のインタビュー記事で、ストレステストについての発言があります。
~今後は貸し倒れが増える恐れがある。「ストレステスト(健全性審査)をうまく使いながら将来の可能性をみて施策を打っていくのが世界の共通認識だ」と語った。金融庁と日銀は2019年度にメガバンクをはじめ大手銀行を対象に、世界的な不況や信用収縮を想定したストレステストを実施した。ただ新型コロナの影響は織り込んでいなかったため、感染が継続した場合のシナリオをもとに自己資本などに対する影響を検証する。(同記事より)
実は6月23日の第29回「政策評価に関する有識者会議」において、ワタシは廃業加速という目下の地域金融機関の最大リスクに関するストレステストの必要性を述べました。
https://www.fsa.go.jp/news/r2/sonota/20200715.html
~森田局長のほうで社会的構造変化を踏まえたストレステストというお言葉があったのですが、廃業が急激に増えることに注目したい。債務超過になる前に廃業したいという声は少なくない。特に東京や大阪、名古屋の近郊というのは、例えば、不動産賃貸業へ容易に業種転換ができる。事業者の数が急激に減る場合のストレステストというのが今までの議論の中ではあんまりなかったと思うんですね。ストレステストといえば、信用リスクであったり、金利であったり、そういうものだったのですが、いわゆる地域がなくな ってしまう、顧客基盤、収益基盤がなくなってしまうリスク、これが実は一番怖い。この点について最近恐ろしさを感じています。(多胡の発言箇所の一部)
たとえば、経営者の年齢、後継者の有無などで事業者を絞り込み、そのうちのある程度の比率が廃業した場合(一部の不動産賃貸業への転業も加味)、金融機関のバランスシートや収益構造、さらには自己資本にどのような影響が出るか。
このようなストレスシナリオでコロナ禍の影響度を測ることは避けることができないと思います。