フィナンシャルタイムズの米国版エディター、ジリアンテットさんの論考(日本経済新聞に掲載)は、いつも新たな気づきを与えてくれるもので、楽しみにしています。
本日、日経朝刊の「低金利の罠、BISが示す~株高に異例の警鐘」も読み応えがありました。
BISの試算によれば、今年の米国株の反騰の半分、欧州株の反騰の5分の1は低金利がもたらすものだったという内容です。しかしながら中央銀行はそれを認めない。
なぜなら、
~低金利が今夏の株価急騰の原因だったことを公に認める中銀関係者はほとんどいないだろう。市場に相場を下支えする材料を与えたくない、貧富の格差を拡大させたと責められたくない、そしてバブルがはじけた場合にスケープゴートになりたくないからだ。あるいは、この3つの理由すべてを認めたくないのかもしれない。(同記事より)
しかしながら、ここには厄介な問題が潜んでいるといいます。
~「中央銀行が実質利回りを押し下げ、リスク資産のバリュエーション(評価)を押し上げると、その分だけ、ただ水準を維持するためだけに資産を買い続ける必要が出てくる」とキング氏(シティグループ・アナリスト)は考察する。この展開は、中央銀行と投資家にとって恐ろしい罠を生み出す恐れがある。だからこそ、今後もBISの専門家たちの発表を注視し続ける必要がある。(同記事より)
今回のBISの手法を日本の株式市場に当てはめたら、どのような結果が出るでしょうか。
アベノミクスの総括には、このようなアプローチが必要と考えるのはワタシだけではないでしょう。
コメント
経済実態がよくて金が回っているとは誰も思っていない中で、この株高をおかしいと思う人は極めて少なく、目先の「利」を追う人が多いこの世の中はどうなるのでしょうか?